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奨励賞 日本エレクトライク(川崎市中原区)“現代版”オート三輪
神奈川工業技術開発大賞〈6〉

経済 神奈川新聞  2015年11月06日 16:55

走行安定性に優れた電気三輪自動車「エレクトライク」と、開発に携わった松波社長=川崎市中原区
走行安定性に優れた電気三輪自動車「エレクトライク」と、開発に携わった松波社長=川崎市中原区

 川崎生まれの新しい三輪自動車「エレクトライク」の本格販売が8月から始まった。電気駆動で走行安定性に優れる、三輪自動車の“現代版”。今年6月には国土交通省の型式認定を取得し、国内で16番目、19年ぶりに誕生した自動車メーカーとして、新たなスタートを切った。

 昭和30年代を中心に人気を集めた三輪自動車。手頃な価格と小回りが利く半面、四輪車に比べてバランスが悪く、軽自動車の普及に伴い姿を消した。松波登社長(67)は「二輪車と四輪車の長所を併せ持ち、倒れにくい三輪車を造りたい」と課題解消に注力した。

 かつて自動車販売会社で働きながらラリーレースに出場したという松波社長。2008年に日本エレクトライクを設立し、次世代型車両メーカーとして改良を重ねた。設立に先立ち03年から同社長の母校・東海大学の飯島敏雄名誉教授と開発に着手。左右の後輪それぞれにモーターを取り付けて車輪の回転数を調整したほか、車体の低重心化を図り安定したコーナリングを実現した。

 家庭用コンセントからリチウムイオン電池に充電できる手軽さも特徴だ。1回の充電(10時間)で最大60キロメートル走行可能。最高速度は約50キロ。約150キログラムまでの荷物を積めるとあって、スーパーや生花店などから熱い視線が注ぐ。

 滑るような静かな走りと、きびきびとした動き。牛乳配達業者らの協力を得て公道で行った実証実験では「小回りが利く」「早朝の住宅街でエンジン音が気にならない」と手応え上々。Jリーグの川崎フロンターレも練習場で水やボールの運搬に活用する。

 販売目標は初年度100台、次年度200台。首都圏中心に拡販し、2017年度は月100台ペースを想定する松波社長は「量産体制を整えて普及に弾みをつけたい」。現在はインド製の三輪自動車を輸入し、富山県内の委託工場で電気駆動車に改造。将来的には東南アジアへの技術供与を見据えている。「二酸化炭素を排出しない三輪自動車でアジアの空をきれいにしたい」

◆日本エレクトライク 2008年10月設立。資本金9900万円。電気三輪自動車の開発・製造・販売・保守ほか。従業員数3人。川崎市中原区上小田中。


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