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選書の「理念」どこへ
【動画】海老名市「ツタヤ図書館」を見る(下)

社会 神奈川新聞  2015年10月25日 09:31

玄関近くの書店。平台や背の低い書棚がゆったりと配置された。左奥にスターバックスがあり食器の音がカチャカチャと吹き抜けに響く
玄関近くの書店。平台や背の低い書棚がゆったりと配置された。左奥にスターバックスがあり食器の音がカチャカチャと吹き抜けに響く

 「一日中いたい」と来館者に言わしめた海老名市立中央図書館。レンタル大手TSUTAYAの運営会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)など民間2社が指定管理者として大改装した成果だ。だが市民の図書館への関心を高めた裏で、2社は中央館を舞台に勢力争いを繰り広げていた。読者の関心を深める工夫や、郷土資料の蓄積といった本来の機能は、脇に置かれた。

「素人」の実績

 「武雄市のときはど素人でした」。中央館の館長に就任した高橋聡・CCC図書館カンパニー長は率直に認める。同社は2013年、佐賀県の武雄市図書館で指定管理者として公共図書館の改装と運営を初めて手掛けた。

 「ど素人」たちは1年で来館者数を3・6倍に伸ばし、全国から約700件の視察者を呼んだ。経済効果は36億円ともいわれ、喫茶店スターバックスを併設した都会的な空間は観光地になった。一方で公共図書館が担うべき郷土資料の体系的な収集・保存や、レファレンス(調べ物の相談)は、空間づくりほどには重視されず「公設ブックカフェ」との批判もやまない。

 海老名は同じ轍(てつ)は踏まないだろう-。そんな安心感が改装前にはあった。共同事業者としてCCCと初めて組んだ図書館流通センター(TRC)の存在だ。約350万冊分の書誌情報を網羅した独自データベースを全国の約2500館に提供し、260館では指定管理者の立場で館運営に携わる。「図書館のプロ」に対する期待は大きかった。「てっきり書店はCCC、図書館はTRCと分担するのかと思った」と利用者の一人は話す。しかし…。

「攻防」の末に


 ふたを開ければ、改装された中央館は完全に「CCC図書館」だった。

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