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マイナンバー全国最多 横浜市、混乱回避へ懸命 予約制の臨時窓口も

政治行政 神奈川新聞  2015年10月25日 09:13

一部地域で配達が始まった、マイナンバー制度の番号通知カードが入った簡易書留
一部地域で配達が始まった、マイナンバー制度の番号通知カードが入った簡易書留

 マイナンバー制度の番号通知カードの配達が一部地域で始まった。基礎自治体として最大の人口約372万人を抱える横浜市は、制度が本格始動する来年1月に向けて、大がかりな対応を迫られそうだ。通知カードは行き渡るのか、個人番号カード交付に手違いはないか。市は「初めての制度で多少の混乱はあるだろうが、可能な限り一つ一つ対処していきたい」と身構えている。

 市が「ヤマ場」と捉えるのが、通知カードが届かずに戻った場合の対応と、来年1月に始まる個人番号カードの窓口交付だ。

 通知カードは10月5日時点の住民票の住所に世帯分がまとめて送られる。簡易書留のため転送はされず、6日以降に転居、住所不定、受け取り拒否などの場合は戻されるとみられる。


 市内では、11月下旬ごろまでに全173万世帯に配達される予定だが、市市民局は約2%に当たる約3万7千通は届かずに戻ると推測する。普通郵便で送る投票案内の1%が戻されることなどから割り出した数字だが、担当者は「年内はそうした通知カードへの対応に追われるだろう」と硬い表情で話す。

 横浜市の場合、マイナンバーの通知義務は区にある。国は、1回送付すれば義務を果たしたことになるとの見解を示しており、3カ月間の保管以外は各自治体に対応が任せられているのが実情だ。

 戻されたカードについて、市は「転居や死亡の手続きがされていれば捕捉できる」と説明。郵便物の転送設定のみで転居した人には、案内はがきを転送させる方法を検討しているほか、受け取っていない人が何らかの手続きで区の窓口を訪れた際に、職員が声を掛けるような仕組みを作るとしている。

 一方、希望者に発行する個人番号カードの交付は来年1月から始まる。

 現時点では、各区ごとの希望者数や交付ペースなどは「全く想定できない」と担当者。国が示したデータを基に試算した「2年間で43万枚交付」を目安に、体制を構築する。臨時職員を200人規模で採用し18区全てに臨時の交付専用窓口を設置。混乱を避けるために事前予約制を導入する。

 区窓口で、身分証明書などを基に職員が本人確認をし、判断が難しいときは国の顔認証システムを活用することになっている。が、市によると「年内にもソフトが提供される見込みだが、現時点では詳細は把握していない」という。

 22日の会見で林文子市長は「市民の不安を払拭(ふっしょく)するためにも、万全の準備で臨む」と強調した。

 市が9月15日に開設した多言語対応の専用コールセンターには、約1カ月で1761件の問い合わせがあった。9月は1日50件程度だったが、10月に入り1日100~200件に急増。通知カードの配達時期や個人カードの申請方法などの問い合わせが多いという。

 セキュリティー面を心配する声も少なくない。担当者は「一般のインターネットとは違う専用回線、専用端末で管理しており、USBメモリーなどでデータを持ち出すこともできない。他の行政機関との情報のやりとりを暗号化するなどし、安全性は確保されている」と説明している。

マイナンバー制度 外国人を含め住民票を持つ全ての人に12桁の番号を割り当て、個人情報を一元的に把握できるようにする制度。11月下旬ごろにかけて、番号を記載した通知カードが送られ、来年1月以降、希望者には身分証として使える個人番号カードが交付される。同月から税、社会保障、災害の3分野の一部で運用を開始。政府は利用範囲を拡大する考えで、2018年には任意で預金口座に適用することが決まっているほか、基礎年金番号と結び付ける方針も出されている。


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