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惜しまれつつ解体へ 大秦ショッピングセンター閉館

社会 神奈川新聞  2015年10月17日 03:00

すべての店が閉まった大秦ショッピングセンター=15日午後7時15分ごろ
すべての店が閉まった大秦ショッピングセンター=15日午後7時15分ごろ

 約半世紀にわたり、小田急線秦野駅北口の顔だった「大秦ショッピングセンター」(秦野市今川町)が15日夜、閉館した。入居する駅前ビル「大秦ハイツ」は1966年に完成。老朽化により建て替えられる。営業最終日、店舗関係者は駅周辺の盛衰とともに歩んだ年月を振り返っていた。

 「49年やってきたからね。感慨深いよ」。午後7時15分ごろ、茶店を営む梶山欣哉さん(75)がゆっくりとシャッターを下ろした。

 開店当時、駅周辺は低層の商店が大半だった。地上5階建てで1、2階が店舗、3~5階が分譲マンションだった同ビルは市内で一番高かった。梶山さんの茶店は開館時の17店の一つ。自身は1865年創業の老舗の7代目で、本店は近くにあるが駅前の同ショッピングセンターに支店を出した。

 高度経済成長期で、客はどっとやって来た。「特に、正月と暮れは大騒ぎだった」と梶山さん。数十人の行列ができ、商品はすぐになくなる。午前3、4時まで翌日の準備をする店もあった。

 70年代に入ると、大手スーパーマーケットの進出や、急速なマイカーの普及で、客足は落ちた。それでも駅前という好立地もあり、客足が途絶えることはなかった。ただ店舗の老朽化などで現在は8店舗になり、耐震工事に巨額の費用がかかることから、2014年9月に権利者組合が建て替えを決断した。

 15日の最終日は常連客も駆け付け、閉店を惜しみ、これまでの労をねぎらった。開館時からある青果店「喜又商店」では客から花束やケーキなどの差し入れが相次いだ。店員の女性は思わず、涙が出たといい、「今日は泣き顔を見られたくない。本当にうれしかった」と話していた。

 解体は11月に始まり、新ビル(地上10階、地下1階)は17年8月に完成予定。


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