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偏見、孤立から救え 性的少数者支援へ本腰

社会 神奈川新聞  2015年10月17日 03:00

 横浜市は11月から、同性愛者や心と体の性に不一致がみられる性同一性障害の人など性的少数者への支援を充実させる。根強い偏見にさらされる当事者を支えるため、交流スペースの開設や相談事業に乗り出す。支援団体は「コミュニティーにつながることができず孤立している人たちの支援は重要」と評価している。

 交流スペースの運営は市男女共同参画推進協会に委託。戸塚区の男女共同参画センター横浜の一室を使用し、最大15人ほどが集まることができる。性的少数者を支援するNPO法人SHIP(神奈川区)が運営する施設に次いで県内2カ所目の交流施設となる。

 SHIPのスタッフが常駐する。対象は当事者を中心に、セクシュアリティーに揺れる人や、家族や教員ら理解がある人。来年3月までの第1・3土曜日、午後1~5時に開放し、1~2時は、10代限定とする。

 未成年の当事者では、周囲に相談できず孤立し、出会いの場をインターネットに求めた結果、望まない性交渉を強いられる例も少なくない。「こうした子たちを守るには、10代が自由に集える場が重要」とSHIP代表の星野慎二さん。

 相談事業は、市青少年相談センター(南区)でSHIPの臨床心理士が担当する。来年3月までに6回実施予定。行政による対面での個別相談は県内初だ。

 市は今年2月、東京都渋谷区が同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める条例の制定を目指したことを契機に、市独自の支援を模索してきた。人権課職員が当事者との意見交換などを通して居場所づくりが急務と判断した。年度内には、性的少数者への理解促進を目指す講演会の開催なども予定。同課の森智明課長は「性的少数者に対する偏見の解消につなげたい」としている。

 星野さんは「性同一性障害の約3割が中学時代に不登校になるとの調査がある。そうした当事者の支援に重点を置いた意味は大きい。一方でこうしたスペースは市内に3、4カ所は必要と思う。精神障害など複合的な困難を抱える例もあり、今後は部局を超えた連携が必要だろう」と話している。


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