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DeNAがハマスタ運営会社を買収へ 11月中にもTOB開始

経済 神奈川新聞  2015年10月15日 03:00

 プロ野球の横浜DeNAベイスターズの親会社、ディー・エヌ・エー(DeNA)が球団本拠地の横浜スタジアム(横浜市中区)の運営会社を買収する方針を固めたことが14日、分かった。球団関係者によると、現在5・74%を保有している球団が株式会社横浜スタジアムの株式公開買い付け(TOB)を実施し、発行済み株式の過半数の保有を目指す。

 TOBは11月中にも開始し、来年1月までに終了したい考えで、買収額は100億円前後になる見通し。球場の土地は国、建物は横浜市が所有し、買収の対象には含まれていない。

 DeNAの2015年3月期の決算資料によると、野球事業は13億円の赤字。球団は球場との一体的な経営が可能になれば、看板広告料などの収入増が見込めるという。また都市公園法などによる制約がある球場の拡張に乗り出すことも視野に入れている。

 運営会社は非上場で、横浜市が球団と同じ5・74%を出資しているほか、横浜市民、在京テレビ局3社、横浜銀行などが出資している。球団関係者は「もともと(球場とは)共存共栄を目指してきた。野球を通じて地域貢献したい。一体経営できれば、さらに貢献できると思う」と語った。

 DeNAは11年にTBSホールディングスから球団を買収。12年3月には球場使用料の引き下げなどで同スタジアムと合意し、7年契約を結んでいる。

 今季の観客動員数は181万3800人で、球団買収前の2011年に比べて約1・7倍となった。ただ平均座席稼働率は約88%と、入場料収入のさらなる上積みは難しい状況になっていた。

一体経営で地域密着重視


 親会社のDeNAが球団を通じて横浜スタジアムの運営会社の買収に動きだす背景には、収入の頭打ちがある。

 プロ野球参入1年目の2012年から球団は、マーケティングに基づいたファンサービスなどを提供。一方、同年にスタジアム側に支払う球場使用料も入場料収入の25%から13%に引き下げ、7年契約を結んだ。

 以降4年間で観客動員数は右肩上がりで、今季は日本一に輝いた1998年以来となる180万人を突破。だが、座席の稼働率は既に9割近く、DeNAが求める野球事業の単年度黒字化は厳しい状況だ。

 球団幹部は「スタジアムは黒字で、うちは赤字。アッパーラインが見えてきたところで一体経営が望ましいと思った」と説明。別の関係者は「スタジアム(の運営会社)には内部留保が100億円ほどあり、買収はそれほど(DeNAにとって)高くない」とも指摘する。

 もう一つの狙いが収容人数約2万9千人のスタジアムの座席増にある。これ以上の拡張は法規制があって難題だが、球団関係者は「(買収は)スピーディーな意志決定のため」と、球場の運営主体となって行政に直接働き掛けたい思惑があることを明かす。

 横浜スタジアムの株式の過半数を保有している個人株主の横浜市民の動向や、横浜経済界が提案する「横浜ドーム構想」への影響は不透明であるものの、ソフトバンクが本拠地球場を870億円の巨額で買収したように、球団と球場の経営はもはや切り離せない。

 今年3月には横浜市が公募した旧関東財務局(同市中区)の活用事業予定者にも選ばれた横浜DeNAベイスターズ。球団幹部は買収によって「地域密着をさらに進める」としている。


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