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ロボットで橋脚点検 川崎の製造業者と専修大がタッグ

経済 神奈川新聞  2015年10月13日 03:00

山崎社長(手前左)のアドバイスに聞き入る学生たち=KBIC
山崎社長(手前左)のアドバイスに聞き入る学生たち=KBIC

 公共インフラの老朽化が課題となる中、産学官が連携した橋脚点検用ロボットの事業化に向けた動きが、川崎市内で進んでいる。タッグを組んでいるのは、業務用ロボットの製造・販売を手掛ける「イクシスリサーチ」(幸区)と専修大学生田キャンパス(多摩区)の学生たち。互いのノウハウを共有し、社会のニーズに対応した効率的で低コストな新たな安心安全の実現を目指している。

 「維持管理に人手や予算、時間が足りていないのが現状。ロボットによる自動化が必要だ」「橋の下は風が強いのでドローンは向かない」

 9月中旬、同市幸区の「かわさき新産業創造センター」(KBIC)の一室。同大経済学部3年の卯月晋太郎さん(20)、入野智晴さん(20)、赤羽翔さん(21)の3人が、同社の山崎文敬社長や市産業振興財団の西谷亨・知的財産コーディネーターらを前にプレゼンテーションを行った。

 きっかけは、11、12月に都内などで開かれる「知財活用アイデア全国大会」。大学生が大企業の開放特許を活用し、商品アイデアを競い合う大会だ。地域の支援機関がサポートしてブラッシュアップを図り、これまでの市場にない斬新な商品アイデアの創出を目指すのが狙いだ。

 今回は「後の事業化も見据え、アイデアの提案段階から企業も巻き込みたい」と、同財団などが両者を引き合わせた。「商品のイメージがしやすかった」(卯月さん)と、富士通の「打音分析による物品検査技術」を活用し、「垂直移動型ロボット」の開発に取り組む。11月中旬のコンペで川崎代表が決まり、本戦への出場を目指す。

 日本は今、インフラの老朽化が進む一方、厳しい財政状況や熟練技術者の減少といった難題に直面する。限られた人員や予算の中で、大量の点検を着実かつ効率的に行うためには、インフラ用ロボットの開発は欠かせない。特に2012年、9人が死亡した山梨県の中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故で、課題は浮き彫りになった。

 「道路業界にとって橋脚点検は喫緊の課題。われわれも日ごろから知恵を出している中で、大学生の新しいアイデアは刺激になる」と山崎社長。学生たちも「大会で上位を目指したい。事故防止につながるロボットの製品化で、社会の役に立ちたい」と意気込んでいる。


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