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体験共有し連携を 噴火災害の住民らシンポ

社会 神奈川新聞  2015年10月04日 03:00

箱根の現状について説明する箱根強羅観光協会の田村さん(右)=専修大神田キャンパス
箱根の現状について説明する箱根強羅観光協会の田村さん(右)=専修大神田キャンパス

 火山噴火の被害や影響を受ける地元の住民らによるシンポジウムが3日、東京都内で開かれた。避難生活や経済的な影響が長期化する火山災害に対する公的支援の不十分な現状が指摘され、過去の事例を共有し被災地同士が手を携える大切さを確認した。

 日本災害復興学会などの主催。過去に噴火災害を経験した有珠山(北海道)と三宅島(東京都)、現在直面する口永良部島(鹿児島県)と箱根山(箱根町)の地元で奮闘する人たちが登壇した。

 有珠山は2000年の噴火時の事前避難が火山防災の好例として知られるが、麓の温泉街でホテルを営む三浦和則さんは「逃げて終わりではない。経営者も社員も収入はゼロになる。避難生活は4カ月続いたが、いつ終わるか分からず、社員を解雇せざるを得なかった」と経験を明かした。

 「復興という言葉を使いながら前進しているが、いつまた噴火するか分からない中で生活している」と吐露したのは「ネットワーク三宅島」代表の宮下加奈さん。自宅は1983年の噴火で溶岩流に埋まり、2000年の噴火では全島避難を経験した。今年9月にようやく島内の居住規制が全て解除されたが、噴火を繰り返す活火山に向き合い続ける難しさを強調した。

 その三宅島を視察し、設備の整った避難施設を目の当たりにした口永良部島の消防団分団長、山口正行さんは「長くても1週間」と思っていた避難生活の終わりが見通せない中、「火山の危険を考慮した島づくりを進めなければ」と思いを新たにした。箱根強羅観光協会専務理事の田村洋一さんは客足の減少に苦しみながらも「住民の意識改革の取り組み、避難計画を独自に作った。安全とは言えない中で安心の確保に努めている」と報告した。

 減災・復興支援機構の木村拓郎理事長は避難者の住宅保全などに対する支援策が欠けていると指摘。長期化に備えた共済制度や基金を提唱した。


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