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中学サッカー部2年 北山道明さん
生きる証し、笑顔のストーリー(3) 成長仲間と一歩ずつ

社会 神奈川新聞  2017年01月05日 11:17

サッカー部の紅白戦でボールを追う北山道明さん(右から2人目)=二宮中学校
サッカー部の紅白戦でボールを追う北山道明さん(右から2人目)=二宮中学校

 「みっちー、もっといつも通りいけよ。早くボール追い掛けろ!」「はい!」

 宙に浮いたボール目がけて跳ぶと、「ナイスヘディング!」。チームメートに笑顔で応え、またボールへと走っていく。

 冬休み中の二宮町立二宮中学校。グラウンドを走り回る約20人のサッカー部員の中で、北山道明さんはひときわ真剣にボールを追う。愛称は「みっちー」。ダウン症で特別支援学級に在籍する2年生だ。

 「最初は靴ひもも結べなかった。一人だけ先に弁当食べちゃうし…」。顧問の中村翔平教諭(32)が肩を組み、語り掛ける。「自分で考えて行動できるようになったのが、一番でかい成長だよな」

 小・中学校の交流会でサッカーに興味を持ち、「プロの選手になりたい」と入部を決めた。だが、父の泰文さん(46)は不安を隠せなかった。「ついて行けず、すぐに辞めてしまうかもしれない」

 ダウン症と診断されたのは3歳の時。母の弓子さん(45)も「チームに受け入れてもらえるのか」と、心配が尽きなかった。

 持ち物や集合場所を覚えられず、忘れ物ばかり。蹴る力が弱く、パスが届かない-。未経験に加え発達が遅いなどの障害があり、「ほかの部員と同じ練習メニューをやり抜くには人一倍努力が必要」(中村教諭)。それでも、大好きなサッカーを続けられるようにと、家族や部員みんなが知恵を出し合った。

 「明日、ゼッケン持ってきて」「31日は午後練です」。連絡ノートを作り、部員が交代で必要事項を記入。家まで忘れ物を取りに行ったこともある。「大変だけど、みんな一緒に成長したい」。同学年で部長の小早川奏良さん(13)は照れ笑いを浮かべる。

「特別じゃない」


 「誰でもサポートが必要な時はある。みっちーだけが特別じゃない。助け合うことでチームが成長していける」。

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