1. ホーム
  2. 社会
  3. 新空母入港:乗組員の事件防止が課題

新空母入港:乗組員の事件防止が課題

社会 神奈川新聞  2015年10月02日 03:00

乗艦勤務中に産まれた赤ちゃんを抱く乗組員=1日午前10時50分ごろ、米海軍横須賀基地
乗艦勤務中に産まれた赤ちゃんを抱く乗組員=1日午前10時50分ごろ、米海軍横須賀基地

 原子力空母ロナルド・レーガンが横須賀基地に入港した午後には、長旅を終えて基地外に繰り出す乗組員らの姿があった。同基地には今後イージス艦も増え、軍関係者の人数は増加するのが確実。米軍関係者が関与する事件の防止も課題となる。

 基地周辺の市街地では、1994年9月から地元住民が毎月1回、金曜夜の10時半から路上のごみ拾いを兼ねた夜間の巡回パトロールを続ける。地元商店街関係者で始めたが、次第に米軍関係者や海上自衛隊関係者らも参加するようになった。今では180人が集まることもある。

 延べ230回に達した地道な取り組みを、地元の大滝町会の上田滋会長は「昔は『夜歩くのが怖い』と言う人もいたが、最近は犯罪も減った」と振り返る。「安全のためには米軍を含めて地域の連携を取っていくことが大事だ」

 バーや飲食店の並ぶ基地前の「どぶ板通り」でも、ドブ板通り商店街振興組合が6月に青色発光ダイオード(LED)の外灯や防犯カメラを設置するなど、自主的な安全策に取り組む。横須賀に転勤してきた米軍人や家族、軍属らには、日本で暮らす基礎知識を学ぶ教育プログラムの受講が義務付けられてもいる。

 だが、過去には基地周辺で強盗殺人など凶悪犯罪が発生し、地元住民との摩擦を生んできた。

 「事件が起きても『自分には関わりがない』と思っている人は多い。忘れたころにまた事件は起きる。その繰り返し」。2006年1月に婚約者を米兵(強盗殺人罪で無期懲役判決)に殺害された男性は首を振る。

 事件後、男性は米軍や日本政府を相手に国家賠償請求訴訟を起こした。自身の経験則から、根本的な原因は米軍に有利とされる日米地位協定と指摘する。「空母は国民を守るためのものではないというのは、事件を通じて感じる」

「安全対策は万全を」 菅官房長官吉田市長

 米原子力空母ロナルド・レーガンの横須賀配備について、菅義偉官房長官(衆院2区)は1日の会見で「政府として、空母の交代を通じて強固な米海軍のプレゼンスが維持されることは、わが国の安全や地域の安定に寄与するものと考えている」と、歓迎の意向を示した。その上で「原子力艦の安全性の確保に万全を期すとともに、運用についても地元の理解を得られるよう努力したい」と述べた。

 横須賀市の吉田雄人市長は同日、報道陣に対し「日本周辺に米海軍のプレゼンスが引き続き維持されることは、日本と地域の平和と安定に寄与する」との認識を示した。市民生活への影響については「ジョージ・ワシントンと諸元は同じで乗組員の大半も一緒と聞いており、影響の変化に大きなものはない。引き続き安全対策については万全を期していただきたい」と述べた。


シェアする