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新空母入港:横須賀市長、配備受け入れ姿勢

社会 神奈川新聞  2015年10月02日 03:00

米原子力空母ロナルド・レーガン入港を受け、取材に応じる横須賀市の吉田雄人市長=同市役所
米原子力空母ロナルド・レーガン入港を受け、取材に応じる横須賀市の吉田雄人市長=同市役所

 原子力空母ロナルド・レーガンが米海軍横須賀基地に入港したことを受け、吉田雄人横須賀市長は1日午後、「日本と地域の平和と安定に寄与する」と受け止め、配備を受け入れる姿勢をあらためて示した。昨年1月に同空母への交代が決まって以降、横須賀市では原子力対策などのさまざまな問題に、市長はどのような姿勢で取り組んできたのか。

 「空母交代による市民生活の影響の変化に大きなものはない」。R・レーガンが入港した1日午後、記者団の取材に応じた吉田市長は、これまで通りの認識を示した。

 昨年1月に米海軍がジョージ・ワシントン(GW)の後継艦としてR・レーガンの配備を発表した際にも、吉田市長は「恒久的な配備になるかは承知していないが、日米の安全保障、日本の平和と安全のためのプレゼンス(存在感)として必要という現実認識を持っている」と述べている。

 市議時代には一貫して原子力空母の配備に反対していた吉田市長だが「(2008年の)GWの入港時が自分の政治的変遷の時期と捉えている」。レーガン配備を控えた最近では、米政府関係者らが市長を訪問することもあった。

 横須賀は、旧軍港の平和港湾都市への転換を促す旧軍港市転換法(軍転法)の対象でもある。同法に基づく旧軍資産の平和利用は市の掲げる基本構想だが、空母の拠点として固定化する現実が立ちはだかる。

 市長は「国際情勢を見極めながらになるが、何年続いたとか、これから何年続くかというより、市の姿勢をしっかり持っていくことが大事」と話した。

 市民が不安を訴えてきたのは原子炉2基を搭載する空母の安全性だ。東日本大震災の原発事故以後、国は新たな避難基準を設定。一方、原子力艦の災害対策マニュアルは従来の緩い基準のままで一致しない問題が残っている。

 2013年4月に吉田市長は外務省を訪れ、国の方向性を示すよう初めて要請。その後も複数回にわたって要請を繰り返した。

 だが国から「マニュアルの検証を行う作業委員会を設ける」との回答を得たのは今年9月。最初の要請からは2年余が過ぎていたが結局、入港までにマニュアルの見直しに向けた具体的な進展はなかった。

 吉田市長は一方で、「諸元が同じ同型艦」として、GW配備前に市が行ったような安全対策などに関する住民説明会を今回は実施していない。代わりに、市内の市民団体が独自に各地で実施する格好となり、全市的な議論の盛り上がりも欠いた。


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