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前進?日米「環境協定」発効で基地県は

社会 神奈川新聞  2015年09月30日 03:00

米軍との共同調査のため相模総合補給廠に入る相模原市消防局の車 =8月27日
米軍との共同調査のため相模総合補給廠に入る相模原市消防局の車 =8月27日

 在日米軍基地内の環境問題に対応するため日米地位協定の補足協定が発効した。地域の環境保全対策が基地内に及ばない現実と直面してきた自治体からは、協定署名を「前進」と受け止める声も聞かれる。ただ、事故時にも自治体の基地内立ち入りを米軍に義務付けたわけではない。「基地県」の神奈川の現場は、どう見ているか。

 全国の在日米軍基地を抱える14都道県の知事でつくる渉外知事会は、2008年から環境に関する特別協定の締結を求めてきた。会長を務める黒岩祐治知事は協定締結を、運用改善とは異なる「初めての成果」と評価。日米政府には「米軍基地の環境問題の根本にある日米地位協定の見直しを引き続き求めていく」とした。

 在日米陸軍の補給施設、相模総合補給廠(相模原市中央区)では有害物質のカドミウムが土壌を汚染して1994年に問題化した。環境補足協定の発効に市の担当者は「今後、同様の事件が起きたときに対応できる」としている。

 県内の米軍基地は過密地にあることが多く、基地内の事故が周辺に及ぼす影響が大きくなりがちだ。半面で、基地と環境に関連する情報不足への不満も、地元に募っていた。

 2000年には、補給廠に保管していたポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物を米軍が国外へ搬出したが、米本土で陸揚げを拒否され横浜港に逆戻りしてきた際、横浜市には十分な情報が提供されなかった。米国防総省は13年の文書で「(東日本大震災などの)災害でPCBを日本国内に長期間保管するリスクが顕在化した」と指摘、周辺地域との関係に環境問題が悪影響を及ぼすとの警戒感をにじませていた。

 同補給廠では今年8月に倉庫の爆発事故が発生。火災後に米軍の要請を受けて相模原市消防局職員が立ち入り調査を実施したが、その後に米側からの情報はなく、事故原因は分かっていない。市民団体「相模補給廠監視団」の沢田政司代表は、立ち入りの手続きを日米合同委員会が定めるとした補足協定の規定について「どんな手続きがあるのか具体的に示されていない」と指摘する。

 米海軍厚木基地の周辺自治体の綾瀬市は「補足協定という形で明文化された意義は大きい」と評価し、大和市も「一定の前進。だが実際に運用されてみないと実効性は分からない」として、今後を注視する構えだ。


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