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「おわりのはじまり」福島第1原発事故後の悲劇上演へ

社会 神奈川新聞  2015年09月28日 03:00

一人芝居「おわりのはじまり」のポスターを掲げる岡田さん(右)ら
一人芝居「おわりのはじまり」のポスターを掲げる岡田さん(右)ら

 東京電力福島第1原発事故後に「原発さえなければ」と書き残して自殺した福島県相馬市の男性酪農家をモデルにした一人芝居「おわりのはじまり」が、箱根町と大磯町で10月に上演される。

 脚本を共同執筆し、演出も担当した記録映画監督、岡田照男さん(68)は「芝居を通して、彼が失ったものが見えるはず。効率よくたくさんのものをつくって売る経済至上主義の生活を振り返ってみて、自分たちはこれからどう暮らしていくべきかを考えてほしい」と話している。

 作品は、主人公が深夜の小屋で、仮設住宅に住む元酪農仲間と携帯電話で話しながら、これまでの自らの生き方をたどる様子を描く。通話相手の声は観客には聞こえない演出となっている。

 岡田さんは、2010年から小田原で有機農業をしているグループを撮影していた。だが震災後、作物から放射性物質が検出されて出荷停止に追い込まれた。メンバーの中には有機農業をやめてしまう人もいた。

 「つらかった。撮影しながら、自分も原発問題の当事者になった」。芝居を通じて、原発への問題意識の共有を思い立ち、脚本の構想を練り始めた。

 11年6月、牧場の小屋の壁に書き置きを残して自殺した男性酪農家のニュースは「とても象徴的だった」(岡田さん)。事故後にふるさとを去って家族と離れ離れになったり、人生の大切なものを失った人たちの存在を象徴していると感じ、題材に採った。

 10月22日~25日は箱根町の「箱根菜の花展示室」で午後6時開演(25日のみ午後4時)、31日は大磯町の「海の見えるホール」で午後2時開演。料金は前売り券3千円、当日券3500円。問い合わせは、岡田さん電話090(8497)6415。


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