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障害者運動の継承訴え 故横田弘さんの足跡紹介 存在と命の意味問う

社会 神奈川新聞  2015年09月27日 03:00

故横田弘さんについて語る(左から)臼井さん、立岩さん、荒井さん =横須賀市、県立保健福祉大
故横田弘さんについて語る(左から)臼井さん、立岩さん、荒井さん =横須賀市、県立保健福祉大

 脳性まひ者組織「青い芝の会」神奈川連合会長として、日本の障害者当事者運動をけん引した故横田弘さん(1933~2013年)の生涯を語る鼎談(ていだん)が26日、横須賀市の県立保健福祉大で開かれた。障害者の存在と命の意味を問い、障害者差別を糾弾し続けた横田さんの活動と、詩人としての側面について、親交のあった識者3人が解説し、その継承発展を訴えた。

 鼎談したのは、立命館大の立岩真也教授(社会学)、県立保健福祉大の臼井正樹教授(社会福祉)、二松学舎大の荒井裕樹特任講師(日本近現代文学)。

 青い芝神奈川の70年代初頭の活動について立岩さんは「体を動かせず、話すのも難しい重度の障害者が世界で初めて声を上げたと言える。同じ時期に英米でも当事者が声を上げたが、全く違った質を持っていた」と、その意義を強調した。ただ、障害者差別を厳しく糾弾する姿勢は70年代後半以降、「福祉業界の中でも煙たがられ、黙殺されてしまった」とし、活動の重要性が十分に知られていない現状を嘆いた。

 詩集の解釈などをめぐり晩年に交流を重ねた荒井さんは、横田さんが「権利」という言葉に違和感を持ち、ほとんど使わなかったことを紹介。生きていることは憲法や権利以前の問題だとする思想の徹底性、深さを語った。一方、元県職員として交渉相手になった経験もある臼井さんは「周囲に配慮のある人だった」と、厳しさと温かさを兼ね備えた人柄をしのんだ。


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