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「気持ち前向きに」 無人島・猿島公園で交流  東日本大震災で横須賀の避難者

社会 神奈川新聞  2015年09月20日 03:00

島内を散策する参加者ら=猿島公園
島内を散策する参加者ら=猿島公園

 東日本大震災の影響で横須賀市内に暮らす避難者が交流する「横須賀しゃべり場」が19日、東京湾に浮かぶ無人島「猿島公園」(同市猿島)で開かれた。宮城、福島の2県から避難する8世帯19人が参加し、散策やバーベキューを体験した。「気持ちが前向きになる」といった声が聞こえていた。「横須賀災害ボランティアネットワーク」主催。

 しゃべり場は、避難者に交流・相談の場を提供しようと、福島県の「ふるさとふくしま帰還支援事業」の助成を受け、2013年6月に始まった。季節に合わせた催しが企画され、今回で12回目。参加者は砲台跡など島内を約1時間見学した後、スタッフの振るまう料理を楽しんだ。

 「集える場所があると安心する」。福島県浪江町から避難し、2回目の参加となった志賀金郎さん(64)と妻の美根さん(66)はこう話す。

 2人は震災から約4カ月、福島県内や長女のいた東京都、埼玉県などを転々とした。その後、横須賀市内で暮らす長男を頼り、11年夏ごろに移り住んだ。2人ともほとんど足を運んだことがない土地だ。志賀さんは生まれも育ちも浪江町。美根さんも結婚して浪江町で暮らし始めて30年以上を過ごしてきた。慣れない地で、体調を崩した。親しかった町の隣人と離れ、孤立感も深まった。

 神奈川県からの情報で同郷の避難者の集いがあることを知り、11年秋に参加した。同郷の人ともっと会いたいとの思いが募り、その後も別の集まりに出た。しゃべり場に加わるのは14年9月以来だ。

 山芋を取り、自宅近くで魚を釣る。秋には紅葉を楽しむ。4年経た今も季節の変わり目で思い出すのはふるさとでの出来事だ。「帰りたい」「本当に帰れるのか」。気持ちは揺らぐ。

 自宅がある地区はいまだに放射線量が高い「帰還困難区域」に指定されている。家の傷みが進む。

 ふるさとを手放さなければならないという厳しい現実を前に、愛する土地への思いを忘れないよう交流会に足を運ぶ。

 今回、同町出身者は居なかったが、志賀さんは「参加した方の元気な様子が励みになった」と話した。


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