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中華街摩登(26) 中秋の名月、月餅の中にも満月

話題 神奈川新聞  2015年09月14日 03:00

塩漬け卵黄を満月に見立てた中秋月餅=横浜市中区の翠香園
塩漬け卵黄を満月に見立てた中秋月餅=横浜市中区の翠香園

 27日は中秋の名月。中国では中秋節と呼び、月餅を食べながらお月見をする。横浜中華街でも、この時期限定の中秋月餅が店頭をにぎわせている。満月をイメージしたアヒルの塩漬け卵をあんの中に詰めたものが人気で、中国でも中秋節の前後に作られている月餅だ。

 中華菓子の老舗「翠香園」では、ハスの実あんに塩漬け卵が2個入った「雙黄蓮蓉」を販売する。切り分けると断面にまん丸の卵黄2個が並び、夜空に浮かぶ満月が水面にも映る様子を表現した。

 ねっとりとした舌触りの卵黄の塩味と、なめらかなあんの甘味も不思議とマッチする。卵黄は1個入りもあり、「甘党なら卵黄1個入り、辛党なら卵黄2個入りがお勧め」と3代目の盧(ろ)智好(ともこ)さん(50)。

 同店は1926年、盧さんの祖父で、広東省出身の盧譜章(ろふしょう)さんが、市場通りの現在地に創業した。都内で修業を積んだ譜章さんが作る中華菓子は、日本人の口に合うと人気を集めたという。同店の月餅は北海道産小豆など材料も国産にこだわりながら、現在も譜章さんの味を守り続けている。

 同店が季節限定で発売する月餅はほかに、黒ゴマあんに塩卵が入った月餅や、五目木の実入りなど8種類。変わり種では、甘く味付けしたクルミやアーモンドなどのナッツ類と高級食材の「金華ハム」の千切りを詰め、ブランデーで香り付けした「金銀肉月」もある。

 中国では中秋節が近づくと親しい人と月餅を贈り合い、家族が集まって月餅を切り分けて食べる。横浜の華僑たちもその風習を受け継いでいるという。「中秋月餅は日本でも知られるようになり、毎年買いに来てくれる観光客も多い。家族で食べて、団らんの機会にしてほしい」と智好さんは話している。

 同店の中秋月餅は1個550~890円。販売は13日から1カ月間で、現在予約受け付け中。問い合わせは、同店電話045(681)2389。

中華料理店など約600店が連なる世界最大のチャイナタウン・横浜中華街。来街者のニーズを敏感に捉えながら、パワフルに変化を続ける「摩登(モダン)」な街を追う。


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