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八幡宮に移譲、保存へ 県立近代美術館鎌倉本館

政治行政 神奈川新聞  2015年09月11日 03:00

建物を保存し鶴岡八幡宮へ移譲する方向となった県立近代美術館鎌倉館の本館=5月、鎌倉市
建物を保存し鶴岡八幡宮へ移譲する方向となった県立近代美術館鎌倉館の本館=5月、鎌倉市

 県立近代美術館鎌倉館(鎌倉市雪ノ下)の存続問題をめぐり、県教育委員会は10日、メーンの本館棟を保存し、土地所有者の鶴岡八幡宮に移譲する方向となったことを明らかにした。同館は巨匠ル・コルビュジエに師事した故坂倉準三氏が設計した代表的建築物の一つで、本館棟と新館棟、学芸員棟の3棟で構成。両者の借地契約では来年3月末の美術館閉館後に更地にして返還する条件だったが、建築家や市民らの建物保存を求める声を踏まえ、対応を見直した。

 同日の県議会本会議で、自民党の嶋村公氏(横浜市港北区)の代表質問に桐谷次郎教育長が答えた。

 桐谷教育長は「本館棟を保存し、鶴岡八幡宮に引き継ぐ方向で調整を進めている」と説明。所有権移譲後の活用方法にも言及し、「鶴岡八幡宮は、宗教活動の中で文化的な施設として社会貢献も視野に入れた活用を図っていく方向で検討している」と報告した。

 耐震診断で危険性が指摘された新館棟と学芸員棟は県が取り壊す予定で、鶴岡八幡宮は跡地に本館棟の活動と関連した建物の新設を検討しているという。

 ただ、鎌倉館は建設後60年以上が経過しており、本館棟を継続使用するには耐震補強工事が必要。概算で2億1千万円とされる工事費の負担については、「引き続き鶴岡八幡宮と協議していく」(桐谷教育長)という。

 鎌倉館は国内初の公立近代美術館として1951年に開設。鶴岡八幡宮の境内は67年に文化財保護法で国の史跡に指定され、市の史跡保存管理計画で「宗教活動や史跡にとって重要不可欠なもの以外は現状変更は認めない」とされている。このため県は当初、史跡保存の観点から改修して美術館を存続させるのは困難と判断、来年3月末の閉館後は契約通りに3棟の建物を取り壊す方針だった。

 これに対し、故坂倉氏が設計した同館の建築的価値を評価する日本建築学会や日本建築家協会、鎌倉市民などが保存と活用を求める要望書を県に提出する動きが広がっていた。

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