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戦史・紛争史研究家・山崎雅弘さんに聞く
時代の正体〈180〉「だからデモは必要」 

時代の正体 神奈川新聞  2015年08月31日 10:52

国会前で行われたデモを見る山崎雅弘さん=東京・千代田区
国会前で行われたデモを見る山崎雅弘さん=東京・千代田区

 安全保障関連法案に反対する大規模なデモが行われた30日、国会前正面の群衆の中に戦史・紛争史研究家の山崎雅弘さん(48)はいた。近著「戦前回帰 『大日本病』の再発」(学研マーケティング)で、安倍晋三政権がもたらすこの国の変容を日本特有の病理として描いた論客は何を感じたのか。

 デモが始まり1時間ほどたった午後1時40分、途切れることなく押し寄せる人の波が歩道からあふれ始める。警官隊が押し返そうとするがもう止まらない。国会正面の車道は群衆で埋め尽くされた。その様子を上空のヘリコプターからとらえた報道各社が写真や動画を配信する。

 「法案に反対する意見がこれだけあると痛烈に表現する効果的な絵づくりになった」

 山崎さんはうなずいた。

 2日前の28日、三重県名張市から仕事のために上京した。

 「いま権力は暴走している。一人の市民として参加しなければならないと思った。こういう時に声を上げる。それが民主主義を健全に維持する手だてだからだ」

 権力の暴走。国会答弁にその実例を目の当たりにする。

 前言との食い違い。根拠のない断言。首相自らがヤジを飛ばす。木で鼻をくくったような同じ答えを繰り返し、やり過ごす。

 集団的自衛権の行使を認める2014年7月の閣議決定の際、安倍首相が記者会見で行った説明も怪しくなってきた。米艦に救助された母子が描かれたパネルを示し、集団的自衛権行使の必要性を力説したが、中谷元・防衛相は「邦人が乗っているかは(行使の)絶対的なものではない」と答弁した。

 山崎さんは「矛盾と欺瞞(ぎまん)で満ちている。もはやうそつきと言っていい。それでも突き進もうとしている。ここまでひどい政権は戦後初めてだ」と話す。

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