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戦争体験朗読劇に 川崎で市民グループが制作

社会 神奈川新聞  2015年08月31日 03:00

市民自らの戦争体験をもとに作られた朗読劇「平和をこの手に」の発表会=幸市民館
市民自らの戦争体験をもとに作られた朗読劇「平和をこの手に」の発表会=幸市民館

 市民自らの戦争体験を基に作られたオリジナルの朗読劇「平和をこの手に」の発表会が30日、川崎市幸区の幸市民館で開かれた。同区の市民グループが初めて企画。川崎大空襲や学童疎開、満州(現・中国東北部)からの引き揚げなど、次々と語られる当時の悲惨な様子に、訪れた約50人は不戦への誓いを新たにしていた。

 「学童疎開は家族をバラバラにしました。学童疎開は子どもたちの安全を守るというより、将来の兵力を温存することが目的だったのです」

 同館の会議室に、公募で集まった20~70代の出演者10人の声が響いた。

 戦後70年を迎えて戦争体験を伝えられる人が減る中、平和への願いを共有しようと「戦争体験を朗読劇にする幸区民の会」が企画した。市民から戦争体験の手記を募り、それらを基に、代表で京浜協同劇団の城谷護さん(74)=同区=が台本を執筆。約1カ月間、練習を積み重ねてきた。

 内容は、学童疎開や川崎大空襲、憲法などをテーマに6部構成で約30分。

 このうち「満州からの引き揚げ」は、出演者でもある垣谷芳江さん(71)=同区=の経験が基。満州で生まれ、1歳の時に母と2人で引き揚げたものの、生活は大変で給食費も払えず、学校に行けなくなったことなどが読み上げられ、「戦争さえなければ人生はもっと変わっていた」と締めくくった。

 劇を終え、垣谷さんは「異国人と言われたこともあった。大変な子ども時代だった」と涙ながらに話した。

 訪れた同区の小学3年生の男児(9)は「戦争は人を滅ぼすので、絶対にやってはいけない」と話していた。

 同会は学校や高齢者施設など、この朗読劇の上演先を募集している。詳しくは、同館電話044(541)3910。


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