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現場重視の施策奏功 林横浜市長が2期目折り返し

政治行政 神奈川新聞  2015年08月30日 10:37

 2013年8月の横浜市長選で再選した林文子市長は30日、2期目の折り返しを迎えた。五輪を控えた東京一極集中に対する危機感から、山下ふ頭(同市中区)の再開発などへの積極投資へ大きくかじを切った。指定都市市長会の会長として国の各審議会の委員に就き、積極的な提言も行っている。林市政の軌跡を振り返る。

ボトムアップ


 深刻化していた待機児童対策では保護者とじかに向き合う区担当者でプロジェクトを立ち上げさせ、実効性ある施策は「横浜方式」として高く評価された。全国初となった子宮頸(けい)がんワクチン副反応問題での支援事業を決断したのも、患者の存在という現場重視の姿勢が根底にある。

 重視するのは職員とのコミュニケーション。市民の満足度を上げるには、まずは職員の満足度を上げるという発想だ。実際、窓口サービス満足度とともに職員満足度も向上している。

 ただ、市会には「職員を始め、各方面との融和を重視するあまり、軸が見えにくい」「もう少し政治家としての発信力を」と政治スタンスの明快な表明を求める声も一部にある。

 だが、林市長は折に触れ、「基礎自治体の仕事は地味なもの」と語っている。「大事なのはチーム横浜として市長と職員が一緒にやっているという意識だ」

積極的投資へ


 新市庁舎移転整備、山下ふ頭再開発など臨海部の再生に向けて積極的な投資に大きくかじを切った。背景には東京一極集中に対する危機感がある。

 「観光、MICE(国際会議や展示会の総称)が横浜の持つ潜在力だ」と強調する。安倍政権が成長戦略の一つに掲げるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を「有力なメニューの一つ」と受け止める。地元経済界は、独自に山下ふ頭への誘致を青写真に描くなど後押しを続ける。

 長年懸案だった市庁舎の移転新築も決断。完成を五輪までに間に合わせるよう職員に号令を掛けた。

 だが、資材費、人件費の高騰により、新市庁舎の設計建築費は昨年3月時点で約616億円だったが、今年5月時点の試算では約749億円と大幅に増えた。これには、移転建設に賛成する自民党の市議からも市の見積もりの甘さを指摘する声が出ている。

国とのパイプ


 「相手の懐に入るのが上手だ」。自民のベテラン市議は林市長をそう評する。市会との目立った対立もなく、菅義偉官房長官ら政権中枢とのパイプもある。

 20政令市で全国の人口の5分の1を占めるが、林市長が会長を務める指定都市市長会は全国知事会など地方六団体と違い、法的な位置づけはない。林市長は会長として政令市の発言力を高めようと、積極的に国の委員などを務める。

 こうした国との関係について、「地元出身の官房長官がおり、林市長は恵まれている」という声がある一方、「安倍政権の成長戦略に完全に組み込まれているだけだ」との批判もある。

 林市長は「人のつながりは大事だ。私たちは国の動きが分かるし、現場を持つ基礎自治体の提言を国に積極的に発信できる」と話している。

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