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ダブルケア支えます 育児+介護 同時に直面 小冊子で啓発、人材養成も 横浜

社会 神奈川新聞  2015年08月29日 11:33

ダブルケア経験者の声を生かした小冊子作りを進める関係者=横浜市中区
ダブルケア経験者の声を生かした小冊子作りを進める関係者=横浜市中区

 子育てと介護の同時進行「ダブルケア」に直面する人たちを支え、負担軽減を図ろうと、横浜市内の当事者や経験者らが奔走している。情報が不足し、社会的な支援体制が十分といえない中、今後直面する可能性のある人たちにも役立つ小冊子作りに着手。サポーター養成も行っていく。

 市内の市民団体や横浜国立大学の相馬直子准教授らが中心となり、サポーター制度の創設などを目指すプロジェクト「ダブルケアサポート横浜」の一環。小冊子作りは、直面する人や経験者、福祉関係者らが7月上旬から打ち合わせを重ねている。

 「子育てと介護の情報を見開きで一覧できると便利」「病院や役所で必要な手続きを図表で見せたい」「徘徊(はいかい)時の対応も」。それぞれの経験に基づく意見が次々と挙がる。悩みや困った経験を共有しながらアイデアを膨らませる。

 プロジェクトリーダーで、当事者の語り場を同市港南区内で定期的に開く女性(43)=同区=も8年前、義父母が要介護状態になり、幼い子どもを抱えながら病院へ通い、集中治療室の外で子どもを待たせたこともあった。


 精神的、肉体的、経済的負担感に加え、誰にも話せない孤立感を訴える当事者は少なくない。「専門家ではないが、当事者だからこそ力になれるのでは」。常に漠然とした不安にさいなまれ、子どもにも親にも十分関われずに苦しんだ日々を、今に生かす。

 小冊子は来年5月までに完成させる予定。併せて今年10月以降、福祉関係者らを対象に、当事者を支援するサポーター養成にも着手する。養成講座参加者の意見も小冊子作りに反映させる。

 ダブルケアをめぐっては、相馬准教授と山下順子・英国ブリストル大学講師が2012年から14年にかけて、6歳以下の子どもがいる母親約1900人を対象に調査。「現在直面中」と回答した人が8%、「過去に直面」が6%だった一方、数年先に直面する可能性がある人が18%に上った。晩婚化に伴い出産年齢が上昇する一方、きょうだいが少なくなり親戚付き合いが希薄化する中、今後も増えるとみられている。

 同プロジェクト事務局を務めるNPO法人理事長の東恵子さん(41)は「地域に合わせた支援体制とネットワークづくりが広がることが大切で、こうした横浜での取り組みをモデルに、ノウハウを全国に広げたい」と話している。


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