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違法建築24→改善1棟のみ 川崎簡宿火災で是正指導

社会 神奈川新聞  2015年08月29日 03:00

火災現場近くの簡易宿泊所に検査に入る市消防局の職員ら=川崎市川崎区日進町(画像の一部を修整しています)=5月19日
火災現場近くの簡易宿泊所に検査に入る市消防局の職員ら=川崎市川崎区日進町(画像の一部を修整しています)=5月19日

 川崎市川崎区の簡易宿泊所2棟が全焼し10人が死亡した火災に絡み、市は28日、建築基準法などの法令違反があった簡宿の是正指導状況を公表した。違法建築と判定された24棟のうち、改善に着手した施設は1棟にとどまり、所有者側が対応に苦慮している実態が浮かび上がった。

 市は7月上旬、同区内の簡宿49棟のうち36棟で同法や消防法、旅館業法違反が計68件あったと公表。所有者らに是正指導を行い、耐火建築物の要件を欠く24棟には3階以上部分の使用制限命令を出した。

 8月21日現在、市は2階の天井をふさぐ措置を講じた簡宿1棟を確認。所有者数人が是正計画書を提出した一方で、▽3階から動きたがらない宿泊者がいる▽採算が取れない▽今まで使用制限命令はなかったのに納得がいかない-などの理由から、大半は未着手という。

 6日時点の市の聞き取り調査でも、区内の簡宿の3階以上に150人超が滞在。うち3分の2は違法建築と判定された施設で生活する。5月の火災後も、新たに約60人の生活保護受給者が入居するなど一定の需要がある半面、適法とされた1棟の所有者が市に廃業を届け出ていた。

 市は9月から、簡宿に滞在する生保受給者の転居支援事業を外部委託する形で拡充する。市建築指導課は「転居支援を進めることで、この2カ月くらいで3階部分の閉鎖が進むのではないか」としている。


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