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徴用船の惨状伝える 大久保一郎の遺作展示

話題 神奈川新聞  2015年08月19日 03:00

戦争に巻き込まれた戦時徴用船を描いた作品などが並ぶ絵画展=県民ホールギャラリー
戦争に巻き込まれた戦時徴用船を描いた作品などが並ぶ絵画展=県民ホールギャラリー

 太平洋戦争で国に徴用され、多くの犠牲者を出した民間船舶を描いた「戦時徴用船の最期 大久保一郎遺作展」が18日、横浜市中区の県民ホールギャラリーで始まった。日本で最初の船舶画家とされる大久保一郎の遺作である油彩画と作品を写した写真計49点が展示され、海上の戦禍を伝えている。日本殉職船員顕彰会の主催で、41回目。

 魚雷を受けて黒煙を上げて沈没する船、船上で猛火に包まれる船員といった惨状が描かれている。墜落した米軍機の乗員を救出する船員や黒煙の中で万歳をする船長など、極限の状況での人々の振る舞いを伝える作品もある。

 太平洋戦争では軍需物資などを輸送するため、民間の船や船員が国の管理下に置かれた。そうした戦時徴用船も敵国の標的となり、戦没した船員は6万人に上るという。戦時中、大阪商船(現商船三井)の嘱託画家だった大久保は同社社長の依頼で作品の制作に着手し、乗組員の証言を基にして描いた。約80点に上った作品も保管していた倉庫が冠水し、修復された37点が残っている。

 同会は「戦争の悲惨さと、戦争の犠牲になりながらも生きようとする船員のプライドを感じてほしい」と、来場を呼び掛けている。23日まで。入場無料。


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