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横浜スタジアムで、15年ぶりに単独ライブ
ゆず、音楽の力を信じている(上)

カルチャー 神奈川新聞  2015年08月13日 03:00

ゆず(写真左から)北川悠仁さん、岩沢厚治さん。神奈川新聞広報大使の、カナロコ星人とパシャリ
ゆず(写真左から)北川悠仁さん、岩沢厚治さん。神奈川新聞広報大使の、カナロコ星人とパシャリ

 横浜市磯子区出身の男性デュオ「ゆず」が15、16日に、横浜スタジアム(横浜市中区)で「ゆず 弾き語りライブ 2015 二人参(さん)客(きゃく) in 横浜スタジアム」を開催する。伊勢佐木町の路上からデビューし、約18年。2日間で約6万人を動員するスタジアムでは、北川悠仁(38)、岩沢厚治(38)が原点である弾き語りでライブを構成。横浜の空に歌声を響かせる。「原点回帰ではなく、進化させたい」と話す2人にライブへの意気込み、同公演のテーマ曲として書き下ろした「二人三脚」に込めた思いなどを聞いた。(西村 綾乃)

音楽の力を信じている



 「僕らの原点は弾き語り。2人で精いっぱいやっていたあの時の思いは、いつも胸にある」と岩沢。北川も「原点回帰じゃなく、進化させたい」と15、16日のライブに思いをはせる。
 伊勢佐木町に立ち歌い始めた無名の頃。立ち止まってくれる人は少なかった。「路上で歌うなんて、どうかしている。でも作った曲を自宅で歌って楽しむのではなく、『一人でも多くの人に聞いてもらいたい』と声を張り上げていた。その気持ちは18年の間、どこで歌っていてもずっと変わらない」と岩沢は言う。

 2人で路上に立ち約2年半。人の輪が増え、1998年8月30日に保安上の理由で開催を打ち切った。「夏色」(98年)のヒットで一躍全国区に。2001年には東京ドームの大舞台で、約5万5千人の前で熱唱した。03年の大みそかには、2人を優しく見つめ続けた「横浜松坂屋」(08年に閉店)の前からNHK紅白歌合戦に初出場。“故郷”に恩返しした。


 「支えてくれた人たちのため、歌いたい」。横浜の空に再び、2人のハーモニーが響く。

 ライブのテーマ曲として制作した「二人三脚」には、〈変わらない想いを あなたと結んで〉と刻む。北川は「結婚して家族ができたり、変化もあったけれど、歌うこと、音楽へ、ファンへの思いなど、変わらないこともたくさんあった。〈確かな足跡〉があるから、未来を描くことができる」。岩沢は「お互い長所も短所も知り尽くした仲。1足す1が2にならないところが楽しい」と思いを吐露した。

 ライブ初日の8月15日は、終戦70年の節目の日。新曲「終わらない歌」は、〈争いあうことはいつだって 悲しみしか生まないのに〉と始まる。信じてきた「音楽の力」。 〈ミュージック 地球駆け巡る たとえパスポートがなくたって 何処へでも〉と人の心を音楽で一つにつなげたいと願う。穏やかな未来を共に。その一歩のため、「大切にしているのは想像力」と北川は言う。


 安保法制をめぐり若者が街頭で抗議の声を上げ始めるなど、転換期にある日本の社会。北川は、デモ行進をする人々をテレビで目にし、「混沌(こんとん)としたものを感じる」と話す。「望む未来のため、何ができるのか。僕らは国連を通じてケニア・カクマ難民キャンプの植樹事業を支援する基金を08年に立ち上げたのですが、09年の3月に難民キャンプを初めて訪問し、泣いている子どもの声を耳にし、涙に触れ、過酷な現実は想像を超えていましたが、想像することを諦めちゃダメだって。自分の心で感じることの大切さにあらためて気がつきました。過去に制作した「Hey和」(11年)では、戦争を体験した方とお話しする機会をいただき、自分の中に生まれた痛みを曲にしたいと思いました。話を聞いて追体験することは、心身ともに健康じゃないと、しんどくなってくる。でも音楽の力を信じているから、僕が感じた思いを音楽に乗せて、聴いてくれる人に渡したいと思っています」

 「音楽を通し主義主張をするのではなく、音楽で人の背中を支えたり、癒やすことができればいい」と北川。「東日本大震災の後、言葉が誤解を生むことがあることに気がついて。でも言葉が曲に乗ることによって、聴き手が受け止めやすい環境をつくることができるということも感じました。岩沢も「僕らが声を上げることで、『あれ、なんかゆずが聞いてって言っているよ』と知らないことを知るきっかけになればいい」と続けた。

きたがわ・ゆうじん、1977年1月14日生まれ。いわさわ・こうじ、1976年10月14日生まれ。1996年3月に結成。伊勢佐木町にあった横浜松坂屋前での路上ライブは7000人以上の観客を集めた。「栄光の架橋」(2004年)などヒット作は多数


北川悠仁さん
北川悠仁さん

岩沢厚治さん
岩沢厚治さん

ゆず。43枚目のシングル「終わらない歌」発売中(3曲入り、1199円) 9月9日には8月15・16日の様子を収めたライブアルバム「二人参客 2015.8.15~緑の日~」、「二人参客 2015.8.16~黄色の日~」を発売。ライブ音源をまとめた作品を発売するのは約14年ぶり。北川さんは「ビートルズの『赤盤』『青盤』みたいに、色を見たときにこの日のものと分かるよう、色分けをしました」とこだわりを語る。
ゆず。43枚目のシングル「終わらない歌」発売中(3曲入り、1199円)
 9月9日には8月15・16日の様子を収めたライブアルバム「二人参客 2015.8.15~緑の日~」、「二人参客 2015.8.16~黄色の日~」を発売。ライブ音源をまとめた作品を発売するのは約14年ぶり。北川さんは「ビートルズの『赤盤』『青盤』みたいに、色を見たときにこの日のものと分かるよう、色分けをしました」とこだわりを語る。

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