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オーケストラ楽しんで 寿町の簡宿住民が無料招待

社会 神奈川新聞  2015年08月10日 03:00

オーケストラの演奏に聞き入る観客ら=県立音楽堂
オーケストラの演奏に聞き入る観客ら=県立音楽堂

 生活保護を受けながら簡易宿泊所を単身で利用している人々に、オーケストラの演奏を楽しんでもらいたいと、横浜市西区の県立音楽堂で9日に開かれたコンサート「オーケストラでポップスを」で、無料招待が行われた。医師で、同市中区寿町のホームレス支援に取り組むNPO法人「さなぎ達」理事長の山中修さん(61)が初めて企画。約20人の簡宿利用者らが迫力のある生演奏に聞き入っていた。

 山中さんによると、病気やトラブルなどにより簡宿で生活保護を受けながら暮らす人には、家族や友人と連絡が取れず、孤独な生活をしている人も多い。

 「一人で淡々と日々を過ごす人が、生活の中に楽しみを見いだすきっかけをつくりたい」。無料招待を思いついた山中さんは、ビオラを習っている「平山音楽院」(同市港南区)で講師を務める平山俊一さん(67)に直接交渉し、快諾を得た。そこで山中さんが開業した総合内科「ポーラのクリニック」(同市中区不老町)に通う患者に声を掛けた。

 コンサートは、同音楽院の生徒らで構成するオーケストラの定期演奏会で、同音楽院に通う小学校1年から70代までの男女約100人が出演。無料招待のチケット代は、山中さんも含むオーケストラ参加者の会費でまかなったという。

 この日は「となりのトトロ」や「スターウォーズ」のテーマソング、美空ひばりのメドレーなどを約3時間披露。20年前に体調を崩してから、あまり外出しなくなったという同区松影町の女性(77)は「生演奏を聴けるなんて久しぶりで、元気が出た」と笑顔で話した。


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