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停車ミス原因で切断か 京浜東北線架線トラブル

社会 神奈川新聞  2015年08月06日 03:00

架線切断トラブルについて陳謝するJR東日本の薬師晃広報部長(左端)ら=5日午後4時ごろ、JR東日本横浜支社
架線切断トラブルについて陳謝するJR東日本の薬師晃広報部長(左端)ら=5日午後4時ごろ、JR東日本横浜支社

 JR東日本は5日、横浜支社で会見し、京浜東北・根岸線で4日夜に起きた架線切断のトラブルの原因について、パンタグラフと架線の間に発生した火花で架線が切れた可能性があると明らかにした。架線の電力の境目に当たる「エアセクション」で一度停まった電車が再起動した際、火花が発生した可能性がある。

 同社によると、切れたのは横浜-桜木町間の同線南行きの架線で、横浜駅から約700メートル離れた地点。パンタグラフに電気を供給する「トロリ線」と呼ばれる架線が平行して2本あり、両方がほぼ同じ場所で切れて停電したという。

 切れた架線の周囲約50メートルがエアセクションに当たり、2カ所の変電所から送られてくる電力の境目だった。車両を運転していた30代の男性運転士は、先行車両が桜木町駅構内で停まっているのを確認したため、エアセクション内と知らずに自主的に停車させたという。同社によると、パンタグラフがこの区間内で停車すると、大量の電力を消費する再起動時に火花が散ることがあるという。

 同社によると、2007年6月にも大宮-さいたま新都心間で同様の事故が発生。この事故の反省から、東海道線などでは運転士がエアセクション内に停車しないよう標識を設置するなどの対策を取ってきた。

 しかし京浜東北線は自動列車制御装置(ATC)を導入しており、先行列車と間隔が詰まるなどした場合は、自動的に列車速度が低下し、エアセクションを外れて停車する仕組みになっていたため、標識などの対策は取っていなかったという。

 同社は「ATC通りに運転しなければこのような危険がある、と教育していなかった。社の経営上、指導上のミス」と認めた。エアセクションの位置を音声で知らせるシステムを同線に早急に導入するとともに、乗務員教育の再徹底に努めるとした。

 このトラブルで、同線のほか横浜線、東海道線、横須賀線、湘南新宿ラインで計150本が運休・区間運休、159本が最大で約6時間20分遅れ、乗客約35万人に影響した。横浜支社によると8人が熱中症などの体調不良を訴え、6人が病院に運ばれたという。

 切れた架線のうち1本は5日午前1時35分ごろまでに復旧し、一時運転を再開。残り1本の復旧作業のため同日朝も京浜東北線と横浜線で始発から計10本が区間運休し、約3500人に影響したが、午前5時半すぎには全線で運転を再開した。


足止め客の疲労色濃く


 5日朝のJR横浜駅では架線切断トラブルの影響で帰宅できずに一夜を過ごした人々が、疲れた表情で帰路についていた。

 埼玉県内に住む男子大学生(19)は、鎌倉市在住の女子大学生(19)と花火大会を見に来て足止め。横浜駅まで歩いて運転再開を待ったが、未成年のため深夜に行ける場所も限られ、「どこで時間をつぶすか途方に暮れた。3時間は歩き回った」。

 「駅はパニック状態。タクシーも長蛇の列だった」。県民ホールで開かれたダンス部の大会に参加していた都内在住の女子高校生(16)は、応援に来た母親と一緒に、温泉施設で夜を明かした。「これから帰って、すぐに母は仕事。多くの人の予定が崩れてしまったと思う」


今回の事故のイメージ
今回の事故のイメージ

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