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人口減時代(9)学校跡地 活用を探る 

社会 神奈川新聞  2012年10月03日 17:11

旧・小田原市立片浦中学校の校庭で畑作りに取り組む参加者=2012年6月
旧・小田原市立片浦中学校の校庭で畑作りに取り組む参加者=2012年6月

 相模湾を見下ろす小田原・根府川の高台にある旧片浦中学校の校庭跡地に、畑や池が生まれている。「食とエネルギーの地産地消」を目指すプロジェクトの拠点。小田原市や住民、NPO法人などが協力し、太陽光や雨水を利用した循環型の農園づくりを目指す。

 地元農家の女性も、苗植えに汗を流した。「みんなが集まれる憩いの場になってほしい」

 中学校は2010年3月、最後の卒業生13人を送り出した後、63年の歴史を終えた。徐々に生徒数が減ることで「規模が大きく部活動も充実している他校への希望が加速」(市教育委員会)する悪循環から抜け出せなかった。その一方で、学校施設には閉校以前から「地域のために活用してほしい」との要望が、住民から上がっていた。

 学校統廃合が続く県西部では、跡地の活用策は関心の的だ。地域の核としての役割も担ってきた学校の施設がなくなれば、人の集まる機能も失われかねない。

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 ただ、かつては教育施設としての趣旨を外れるような転用は簡単ではなかった。建設時に国から「学校」の名目で財政的な補助を受けた経緯を持つ例が多かったためだ。財産管理を間違えば「財政や治安面での不良資産にもなりかねない」との悩みもある。

 南足柄市の北足柄中学校は10年に閉校した。山間部にあり、自然に恵まれた環境。跡地をめぐっては、立地を生かし、地元のにぎわいにつながるような活用を求める声が上がる。市企画課は「現在関係機関と調整している。都市部との交流拡大や、人を呼び込むことができる施設にしたい」としている。

 2000年に廃校となった横須賀市の旧坂本小学校の校舎は学童保育クラブなどが活用中。市は資産活用の一環として、13年度以降に敷地の一部を売却することにしているが、市民活動の拠点となっている建物は残す方針だ。

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 08年の統廃合で、箱根町内には4カ所の学校跡地が生じた。旧温泉小学校には、建物の老朽化の進んでいた幼稚園が入居。周辺に福祉施設がなかった旧湯本中学校は、町社会福祉協議会が事務所やデイサービス施設として使っている。

 なかでも校庭が広く建物も比較的新しかった旧仙石原中学校には、新しい教育機関が入ることになった。

 町は今年2月から、地域振興につながる活用策の提案を公募。10月1日には、優先交渉権者に選ばれていた学校法人国際学園を中心とする星槎グループに貸与する契約を結んだ。通信制大学の本部を北海道から移転し、スポーツクラブや合宿所としても活用する構想だ。来年4月から順次、運営を開始するという。

 ただ、学校施設の耐用年数が過ぎた後の対応は課題として残る。町担当者は「地元での合意形成が重要。その時期の要請で考えざるを得ない」としている。

(2012/10/3)


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