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箱根、集客へ奮闘 噴火警戒レベル3から1カ月

社会 神奈川新聞  2015年07月30日 03:00

「鳥居焼祭」に向け、点火される鳥居の製作にあたる同祭関係者ら=箱根町箱根の芦ノ湖畔
「鳥居焼祭」に向け、点火される鳥居の製作にあたる同祭関係者ら=箱根町箱根の芦ノ湖畔

 箱根山(箱根町)の噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられてから30日で1カ月。大涌谷周辺の火山活動活発化からは3カ月が過ぎた。本格的な夏休みシーズンに入っても観光客減の苦境が続く地元では、あの手この手で宿泊客へのもてなしに奮闘している。一方で普段通りの箱根もアピール。31日からは芦ノ湖夏祭りウイーク(8月5日まで)が始まり、恒例の花火大会も行われる。

 大涌谷火口周辺から約6キロの芦ノ湖南岸・箱根エリアで、ヘルメットをかぶった地域住民約15人が木製の鳥居作りに汗を流していた。8月5日の「鳥居焼祭」のクライマックスで火を付ける鳥居で、毎年高さ約5メートルのヒノキ材を組み立てる。湖畔の夏の風物詩だ。

 「自粛も、逆に特別な企画もしない。例年通りの準備を進めている」と、地元の箱根観光協会の中里健次会長は話す。自身も土産物店を営み、観光客減の厳しさは肌で感じている。それでも地域の観光施設や飲食店などに頼み協賛金を集め、開催にこぎつけた。中里会長は「火口から離れたエリアで、観光への影響もない。いつも通りに祭りを開催することが、箱根の元気をPRすることにつながると思う」と熱弁した。

 ただ、今年は厳しい経済状況により、夏祭りウイークの恒例だった五夜行う花火大会のうち、湖の北東に位置する湖尻エリア分が中止に。湖尻観光協会によると、かつて多かった企業の保養所が撤退や休館となり、花火大会の協賛金が減少していたところに火山活動活発化で箱根ロープウェイ運休などが重なり、準備資金を調達できなくなったという。

 温泉旅館などの宿泊施設もたくましく生き残り策を講じる。県が発行する「プレミアム宿泊券」を目当てに特別プランを相次いで用意。大涌谷から供給される温泉が止まってしまっても休業せず、沸かし湯を大浴場に張る代わりに宿泊料金を割り引くなど、臨機応変な対応も増えている。

 大涌谷からの湯量が激減した「温泉旅館みたけ」(仙石原)では、少量の温泉を何とか楽しんでもらおうと考えた結果、大浴場を閉鎖して内湯の貸し切り風呂に温泉を集めることにした。宿泊客に対しては事前に説明し、通常より最大4200円を割り引くプランを提示している。

 ホテル箱根パウエル(同)では、敷地内の井戸からくみ上げた天然水を加温して提供。井戸水を測定したところ、多様な成分が含まれており「単純泉(温泉)にかなり近い」と判明。宿泊客へ説明した上で通常通り営業している。

 町観光課は「苦しい状況だが、他の自治体や企業などが箱根旅行を支援してくれている。頑張るしかない」と意気込んでいる。

 芦ノ湖夏祭りウイークの問い合わせは、町総合観光案内所電話0460(85)5700。


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