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15寒川町長選
人口最大町の課題(中)工業頼みから脱却へ 商業活性化

政治行政 神奈川新聞  2015年07月24日 13:02

計画決定から20年以上かけて再開発が行われている、JR相模線寒川駅北口
計画決定から20年以上かけて再開発が行われている、JR相模線寒川駅北口

 「店が減って人通りも悪くなり、中心市街地なのに閑散としている。手土産を買うにもスーパーしかない」。JR相模線寒川駅北口で40年ほど前から家族と飲食店を営む女性(72)は、ため息を漏らす。県内の町では最大の人口4万7千人を抱える寒川の玄関口だが、にぎわい創出への切迫感は強い。

 隣の海老名市には、10月にも新たな大型商業施設が開業予定だ。「海老名に買い物に行く人がもっと増えるのでは。飲食店もおちおちしていられない。このままでは、どんどんさびれていってしまう」
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 同駅北口周辺の約10ヘクタールでは、1992年から総事業費約160億円を掛けて土地区画整理事業が進められている。「町の顔」の活性化を狙い、20年以上にわたって進められている再開発事業だ。

 狭かった道路を拡張して歩道を整え、混在していた商業エリアと宅地を分け、面整備はほぼ完了した。

 だが地元の合意形成に時間がかかり、事業期間が当初の計画から15年余り長引いた。その結果、廃業や移転を余儀なくされる店も相次いだ。

 駅前には新たに公園が整備され、同駅北口商店会が朝市や店舗の魅力を紹介するイベントなどを開催している。「一時的に人は集まるが、店の売り上げにはなかなかつなげられない」。同商店会の臼井剛会長は「店をもっと増やし、盛り上げていく方法を考えていかなければ」と、苦しい表情を見せる。
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 昭和30年代から積極的な企業誘致に力を入れた町では、工業系を中心に事業所が増加した。2013年の工業統計調査では、製造業は事業所数では茅ケ崎市とほぼ同じで、出荷額は20%上回っている。

 大企業を含めた工場からの法人関連税収は町の税収を大きく支える。近年は景気回復を追い風に財政も安定し、14年度には3年ぶりに地方交付税の不交付団体となった。

 だが将来的には、高齢化の進展で社会保障費が膨らむのは避けられない。「工業ばかりに頼った産業構造では、現在の行政サービスを維持していくことすら難しくなる」。町産業振興課は危機感を募らす。「今まで弱かった商業にも力を入れなければ、税収増にはつながらない」

 町の調査によると、町民の購買力のうち約35%が町外に流出していると考えられる。隣接する藤沢や海老名、平塚、茅ケ崎の各市には商業施設も充実。車があればすぐに足を延ばせる立地だ。同課は「もっと町内で消費してもらえるよう、対策を打ち出さなければ」と話す。


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