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厚木初の有形文化財に 明治期建築の住宅

カルチャー 神奈川新聞  2015年07月18日 03:00

兜造が特徴的な小島家住宅(厚木市提供)
兜造が特徴的な小島家住宅(厚木市提供)

 厚木市飯山にある「小島家住宅」について、国の文化審議会が17日に文部科学相に答申した歴史的建造物に盛り込まれたことで、市内初の有形文化財に登録される見通しになった。市では今回の登録をきっかけに、近年激減している古民家の民間保存を広げたいとしている。

 市文化財保護課によると、有形文化財に登録される見通しとなったのは、小島家住宅の主屋(じゅおく)、蔵、門の3件。主屋と蔵は1885年、門は1887年ごろとすべて明治期の建築で、かつて市内で盛んだった養蚕農家の住宅の特徴を残す。現在も使用されている。

 主屋は木造2階建てで延べ床面積262平方メートル。銅板ぶきの屋根は正面・側面ともに切り上げた形の兜(かぶと)造。1階は広い座敷を持つ居住スペース、2階部分で蚕を育てる構造だったという。

 蔵は平屋土蔵造りで一部2階建て、延べ床面積56平方メートル。屋根は置屋根式で内部は東側が文庫蔵、西側が穀蔵に二分されている。門は幅2・7メートルでケヤキの良材を使った薬医門。

 築50年以上で歴史的価値が高い建造物は近年、全国各地で急速に失われている。厚木市内も同様で、同課の調査では50年前に確認した約200件のうち、現存しているのは小島家住宅を含めて14件のみ。開発行為のほか、老朽化に伴う維持管理費の増加がその要因とされ、所有者の負担などが課題になっている。

 市内の歴史的建造物としては、所有者から1998年に寄贈を受け、市が有形重要文化財に指定、一般公開している「古民家岸邸」(同市上荻野)がある。厳しい市財政から維持費を増額していくには限界がある。

 国の有形文化財の登録制度は、所有者に改修の際に届け出を求める一方、設計費補助や税制優遇などで負担軽減を図り、歴史的建造物の保護・保存につなげることが目的。

 同課は「歴史的建造物の保存をすべて公共が担うのは難しい。公的支援は必ずしも十分ではないが、今回のケースを説明しながら他の所有者にも働き掛けていきたい」と話している。


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