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苦境の箱根、芸者からも不安の声 湯本の客足減少で

社会 神奈川新聞  2015年07月15日 03:00

外国語ができる芸者の通訳を受けながら、お座敷遊びに挑戦する外国人観光客(左端)=箱根町の湯本見番
外国語ができる芸者の通訳を受けながら、お座敷遊びに挑戦する外国人観光客(左端)=箱根町の湯本見番

 箱根山(箱根町)の噴火警戒レベルが3に引き上げられ、14日で2週間となった。火山活動活発化後、宿泊観光客減にあえぐ箱根の華として、芸者衆がイベントなどで奮闘。国内外の観光客を楽しませているが、もてなしの笑顔の裏にも暗い影が差している。

 同町湯本の芸者衆の拠点・湯本見番で、周辺の宿泊客を対象にした恒例のイベント。客席では、外国人観光客が芸者の華麗な踊りに見入り、高齢男性は箱根の民謡の節を小声で歌っている。伝統的な踊りやお座敷遊びは観客参加型で行われ、客席からは歓声が上がった。

 客席のにぎやかさの半面、寂しさもある。湯本見番のイベントは警戒レベルが引き上げられる前は30~40人来ていたが、今回は初めて告知チラシを配布したにもかかわらず13人にとどまった。

 火山活動活発化による影響は、芸者衆にも直撃した。箱根湯本芸能組合によると、火山活動活発化後、宿泊客減から宴席のキャンセルが続出。平均して収入が3~4割減った。

 国の雇用調整助成金制度などで企業の従業員向けには特例の救済措置がとられたが、同組合に所属する芸者約160人は全てが個人契約の事業主のため、受給対象にならない。困窮した芸者の中からは「他にアルバイトを見つけないと生活できない」「遠い町に出張して仕事をしないといけないのかな」といった不安の声も出ているという。

 副組合長の外谷場ふぢゑさん(67)は「私たちの仕事は、箱根に来てもらえなければ成り立たない」と嘆く。「湯本は火口周辺から(7~8キロと)遠く、影響もない。何とか来てもらって、箱根を盛り上げてほしい」。祈るような声で話した。

 湯本見番のイベントは8月23日、9月26日にも開催される。問い合わせは、箱根湯本芸能組合電話0460(85)5338。


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