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性差超え楽しみ共有 東京でレズビアン&ゲイ映画祭

カルチャー 神奈川新聞  2015年07月10日 11:35

上映作品の一つ「ザ・サークル」の一場面(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭運営委員会提供)
上映作品の一つ「ザ・サークル」の一場面(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭運営委員会提供)

 同性愛者ら性的少数者を描いた国内外の作品を上映する「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」(運営委員会主催)が11日、都内で始まる。コメディーからドキュメンタリーまで短編を含む24作品を公開する。華やかな祭典の裏に、孤独を抱えながら映画祭を心の支えにしてきた横浜在住のスタッフがいる。

 1992年から毎年開催し、例年約5千人の観客が会場に足を運ぶ。スタッフも来場者もセクシュアリティーはさまざま。当事者ではない人も少なくない。作品を見てともに笑い、泣き、感動する。性の違いを超えて楽しみを共有できる空間が映画祭の魅力を生む。

 スタッフのやすしさん(39)も、そこに居心地の良さを感じている一人だ。同性に恋愛感情を抱くやすしさんは、自身に向けられる「セクシュアル・マイノリティー」や「ゲイ」といった言葉が心に引っかかる。「特別な感じというか、自分は普通の人とは違うという感覚に陥る」

 幼少期に「女っぽい」といじめを受け、同性が好きな自分は「いてはならない存在」と思い続けていた。ゲイというだけで「毒舌で面白いことを言う」と期待されたり、逆に「エイズ蔓延(まんえん)の原因」と避けられたりした。自分の人となりが脇に追いやられ、ゲイであるという一面しか見てもらえないことに疲れてしまうことがある。

 大学生のころに観客として訪れた映画祭は、そんな胸のつかえを取り除いてくれた。「当事者が主人公として登場し、共感できる気持ちや環境が画面いっぱいに広がる光景がうれしかった」。さまざまな性の形があること、自分はおかしな存在ではないこと、目の前のスクリーンは気づきに満ちていた。

 自分の性に揺らぎがある人に、やすしさんは呼び掛ける。「映画祭が苦しみから救ってくれるとまでは言わないが、自分の思いを確認したり、何かを感じ取ったりすることがきっとできる」。映画を楽しみたいという思いに性の違いは関係ない。一人でも多くの人に映画祭の魅力に触れてほしいと願っている。

 カミングアウトや恋愛、立ち退きを迫られたゲイバーの存続運動を追ったドキュメンタリーなどテーマは多彩。登場人物の性も多様。米国や台湾などさまざまな国、地域で制作されており、大半が日本初上映だ。

 20日まで。会場はシネマート新宿(東京都新宿区)とスパイラルホール(同港区)。チケット料金や作品の詳細は、ホームページhttp://tokyo-lgff.org/2015/。


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