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箱根山警戒レベル3:保養所の休業相次ぐ 

経済 神奈川新聞  2015年07月09日 03:00

休館を知らせる張り紙=箱根町大平台の港区立大平台みなと荘
休館を知らせる張り紙=箱根町大平台の港区立大平台みなと荘

 都内からの多くの観光客が訪れる箱根町内には区立の保養所も多いが、箱根山の噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられて以降、相次いで休業している。いずれも警戒区域外にあるが「温泉の量が少なくなっている」「地震でエレベーターが止まる可能性がある」などが理由。突然の休業に従業員に戸惑いが広がる一方、町も情報収集に追われ「今は何とも言えない」と困惑している。

 新宿区の「箱根つつじ荘」(同町強羅)は、5日から無期限で休業している。同施設は大涌谷から温泉の供給を受けているが、「湯の量が3分の1以下に減り、温泉つき保養所としての機能を果たすことができなくなった」。湯量減少は連日報道されており、休業の連絡にも予約していた区民は納得してくれたという。

 千代田区の「千代田荘」(同)は、指定管理業者と協議し「温泉の湯量が減った上、万一のときの避難誘導態勢も十分でない」と20日からの休業を決めた。宿泊を希望していた客は、指定管理業者が営む町内の別のホテルに振り替えて受け入れる方針。

 火口周辺から約5キロ離れた港区の「大平台みなと荘」(同町大平台)も、3日から営業を見合わせている。同区は2006年に区内で起きたエレベーター死亡事故以降、エレベーターの安全基準を厳しく設定しており、区立の公共施設である保養所にもその基準を適用している。そのため「火山性地震でエレベーターが止まり、宿泊者が閉じ込められる可能性がある」と休業に踏み切った理由を説明する。

 保養所で働く従業員への詳しい経緯の説明はなかったといい、客がいない保養所で設備のメンテナンスに当たっていた指定管理業者の男性従業員は「泉質の変化もなく火口からも離れているのに、なぜ閉めてしまうのか」と戸惑いの表情を見せていた。

 一方で通常営業を続ける自治体もある。渋谷区の「二ノ平渋谷荘」(同町二ノ平)は火口周辺から約3キロ離れており、使用している二ノ平温泉の泉質も変化はない。同区は「多少のキャンセルも出たが、もともとキャンセル待ちが出るほどの人気施設なのでそれほど目立った影響はない」という。

 町観光課は「入湯税減少や地元従業員の雇用問題も出てくると思うが、休業情報が町まで入ってきておらず状況を把握できていないため、今は何とも言えない」と困惑した様子で話していた。


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