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警戒レベル3から1週間 現象見極め難しく 箱根山

社会 神奈川新聞  2015年07月08日 03:00

 ごく小規模な噴火に続いて新たな噴気孔が3カ所発見された箱根山(箱根町)の大涌谷では、より規模の大きい噴火に警戒せざるを得ない状況が続く。過去に噴火の観測事例がなく、微小な火山性地震や地殻変動が噴火にどう結び付くか判断が難しいためだ。5段階の噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられて7日で1週間。そのきっかけとなった噴火の日時は依然として特定されていない。引き上げ判断の遅れも指摘され、気象庁はレベル運用の難しさにも直面している。

 県温泉地学研究所の竹中潤研究課長には気になるデータがある。箱根山をまたぐような形で麓に観測地点がある衛星利用測位システム(GPS)。「地点間の距離が長くなれば地下深いところのマグマの膨張を示すと考えられるが、それは一貫して延び続けている」

 地震の多発、温泉供給施設の暴噴、そして山体の膨張を示す地殻変動。4月26日に始まった今回の火山活動で大涌谷を中心に観測される現象の消長は必ずしもそろわない。噴火直前の1日当たりの地震回数は温地研の観測で十数回と、最多の887回(5月15日)から大幅に減少し、暴噴も収まってきていたが、GPSの観測データだけは山体の膨張を示し続けていた。

 しかも、膨張は2001年以降の大規模な群発地震活動のたびに観測され、解消されないまま数年後に次の活動に至っている。詳しい原因は不明だが、竹中課長は懸念を強める。「マグマの膨張が長期間、継続しているのだろうか」

 噴火後、地震の回数は再び1日数十回に減ったが、膨張の傾向は変わっていない。新たな噴気孔からは白色の噴煙が激しく立ち上り続けている。気象庁担当者は評価の難しさを口にする。「警戒レベルを4(避難準備)に引き上げる状況ではないが、2(火口周辺規制)にはまだ戻せない」


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