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備え奏功、教育現場に混乱なし 箱根、火山の脅威からも学び

社会 神奈川新聞  2015年07月04日 03:00

教室のいすの下に備え付けられたヘルメット=箱根町立箱根中学校
教室のいすの下に備え付けられたヘルメット=箱根町立箱根中学校

 大涌谷周辺で活発な火山活動が続く箱根町の各学校では、子どもたちの安全を確保するための対策が進められている。ごく小規模な噴火が確認され、噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられた6月30日はどこも大きな混乱はなく、事前の取り組みが奏功したケースもあった。町民が初めて直面する異常事態にも、教育現場は冷静だ。

 大涌谷から東に約3キロの函嶺白百合学園(同町強羅)。小中学校、高校に児童・生徒約380人が通う。30日は午後0時半ごろに授業を切り上げ、集団下校を実施。保護者に「緊急メール」を配信し、約40分後には子どもたちは箱根登山鉄道に乗車した。親が働いている児童・生徒は学校で待機し、同5時半には下校が完了した。

 その約2週間前には噴火を想定した避難訓練を行い、最寄り駅までの素早い移動などを確認していた。同学園防災担当の曽根田浩教諭(55)が「成果が出たのか、(30日は)みんな落ち着いて行動していた」と振り返る。

 警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられた5月以降、同学園は噴火に備え、対策に乗り出した。避難行動マニュアルを策定し、警戒レベルや交通機関の運行状況に応じた移動手段、保護者への引き渡し場所を設定。ヘルメットとマスク、ゴーグルの「3点セット」を児童・生徒分購入したほか、警戒レベル4(避難準備)への引き上げに備えて小田原市などで仮校舎の選定を進めている。

 「保護者に安心してもらえるように、早めに手を打った」と鈴木和夫事務長。火山活動の活発化で入学志願者数への影響を懸念しているが、「しっかりとした対策をアピールしたい」と前を向く。

 町立小中学校の計4校も含め、児童・生徒は冷静に行動しているという。大涌谷から約3キロの町立箱根中学校(同町二ノ平)の二見栄一校長は、「学習の成果」と胸を張る。同校は気象庁の職員を講師に招き、火山活動について学習している。

 専門家による出前授業は、町立湯本小学校(同町湯本)や同学園も実施している。同学園の浅野大教諭は「知識がなければ漠然とした不安感を抱くけれど、学習していれば冷静に状況判断ができる」と話していた。


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