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「救う会」役割終え解散へ
米国での心臓移植手術から3年 陽菜ちゃんは念願の学校生活楽しむ 

社会 神奈川新聞  2015年06月29日 03:00

母亜都砂さんの夕食の準備を手伝う陽菜ちゃん=川崎市高津区
母亜都砂さんの夕食の準備を手伝う陽菜ちゃん=川崎市高津区

 心臓に難病を抱えていた浜崎陽菜(ひな)ちゃん(10)=川崎市高津区=が、米国で移植手術を受けてから、24日で3年を迎えた。運動制限などはあるものの、体調は徐々に回復。今では毎日登校し放課後は公園で遊ぶなど、念願だった小学校生活を楽しんでいる。「当たり前の生活ができて幸せ」-。両親は娘の成長に目を細め、何げない日常の一コマに幸せをかみしめている。

 「クラスメートと絵を描いたり歌を歌ったりするのが、とても楽しい」

 休み時間にはダンスをしたり、ゲームの話をしたり…。友達と一緒に過ごせる喜びをかみしめるように、陽菜ちゃんは屈託のない笑顔を浮かべる。

 生まれつき心臓が弱く、2009年に冠動脈低形成による心不全を発症。1年後に「移植以外は延命困難」と診断され、12年6月に渡米して手術を受けた。帰国後もリハビリを続け、3年生になった13年春に小学校へ復帰。当初は週に数時間しか受けられなかった授業も今はほぼ出席できるようになり、「友達と一緒に通学する」のが目標だ。

 入院中はただ思い浮かべるだけだった家族との時間も、より充実してきた。買い物や食事に出掛けることもあり、昨年は5年ぶりの家族旅行にも。母の亜都砂さん(39)は「容体が悪くなる前は何とも思わなかったことだけど、当たり前の生活ができて幸せ」と顔をほころばせる。

 3週に1度の検査の数値も安定し、元気いっぱいの陽菜ちゃんだが、毎日の服薬は今も欠かせない。一度に多くの薬を飲み込むのは一苦労で、「子どもでも飲みやすい薬をつくりたい。苦い薬はいやなので、こんな思いはしてほしくない」と、将来の夢も芽生えてきた。

 日本心臓移植研究会によると、手術後10年の生存率は約9割。今も多くの人に支えられ、多少の不安はあるが、亜都砂さんは「いただいた命なので、大事にしていきたい」。

 陽菜ちゃんや両親が前を向く一方、渡航費や巨額の手術代を工面するために奔走した「救う会」(濱岡公子代表)は、その役割を終えようとしている。解散に向けて両親と話し合う予定で、募金で集まった約2億3千万円の残金は心臓病で苦しむ人のために役立てていく考えだ。


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