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シネマ・ジャック&ベティ
横浜のミニシアター廃館の危機乗り越え 25周年で祝賀会

カルチャー 神奈川新聞  2016年12月23日 14:57

綿密に工夫された2スクリーンの上映スケジュールを紹介する梶原さん=シネマ・ジャック&ベティ
綿密に工夫された2スクリーンの上映スケジュールを紹介する梶原さん=シネマ・ジャック&ベティ

 横浜市中区若葉町のミニシアター「シネマ・ジャック&ベティ」(J&B)が21日に25周年を迎え、映画ファンや関係者ら約130人を招いた祝賀会を開いた。シネマコンプレックス(複合映画館)に押されて一時閉館したが、ファンらの支えで再開。若いスタッフのアイデアと熱意で廃館の危機を乗り越えてきた。

 前身の横浜名画座がオープンしたのは1952年。91年12月21日に建て替えて2スクリーンを持つJ&Bが誕生した。著名な監督や俳優に焦点を当てた特集上映を行い、熱心なファンの人気を集めた。

 次第にシネコンに客足を奪われ、姉妹館だった横浜日劇とともに2005年2月に閉館。日劇は取り壊されたが、J&Bは同年8月に別会社により再開した。07年3月、黄金町の町おこし活動に参加していた20代の若者たちが運営を引き継ぐことになり、梶原俊幸さんが支配人に就任した。

 シネコンとの差別化を図るキーワードは「連携」。当時は珍しかった監督や俳優らの舞台あいさつを頻繁に開き、ファンとの交流の機会を増やした。手話弁士付き上映会を定期的に開くほか、近隣地域で映画祭を催すことで銀幕の魅力を広めてきた。

 07年に約2万9千人だった有料入場者数は、14年に10万人を突破し、今年は約12万2千人になる見通しだ。年間の上映作品は330本に達する。

 21日の祝賀会では、関係者からの賛辞が相次いだ。ドキュメンタリー映画「ヨコハマメリー」の中村高寛監督は「節操のない映画館だと思っていたが、何でもやってきたことが一つの思想になった」。ヨコハマ映画祭の北見秋満実行委員長は「戦略性を持つ支配人と誠実な副支配人のチームワークが良いことが魅力」。神奈川新聞の名物連載を担当する服部宏記者は「J&Bがなかったら、優れた作品のほとんどは横浜で見られなかった。J&Bは希望の光であり、ハマっ子の映画館だ」と祝辞を送った。

 支配人として10年を駆け抜けた梶原さんは、「日に何本も続けて鑑賞できるように、2スクリーンのスケジュールを綿密に組み上げている。多くの作品を楽しめる工夫を重ねたことが、劇場を訪れる方に喜ばれた」と感慨深げに話した。

映画愛を季刊誌に


 シネマ・ジャック&ベティは年4回の季刊誌「ジャックと豆の木」を21日に創刊した。俳優や監督らのインタビューや対談、座談会などで構成し、映画愛を前面に打ち出している。

 発行人を務める同館支配人の梶原俊幸さんは「25周年を迎えるにあたり、劇場からこれまでと違った発信をしていきたい」と意気込みを語る。

 創刊号はB5判144ページ。歌手一青窈さんや女優常盤貴子さん、東陽一監督、初代支配人の福寿祁久雄さんらが登場している。責任編集はデザイナーの小笠原正勝さん。1210円。同館で販売中。問い合わせは、同館電話045(243)9800。


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