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難病社長ら求人サイト 福祉の魅力、若者に発信したい

経済 神奈川新聞  2015年06月12日 11:08

ヘルパーの石井将司さん(左)と談笑する島崎さん=相模原市中央区
ヘルパーの石井将司さん(左)と談笑する島崎さん=相模原市中央区

 相模原市の企業が今春、市内にある福祉施設の求人ウェブサイト「ふくしの未来仕事ラボ」を立ち上げた。企業の代表を務めるのは、進行性筋ジストロフィーと向き合う島崎賢一さん(46)。給与や福利厚生といった雇用条件だけでなく、施設の目指す理想や運営者の思いなど、その職場の“手触り”が伝わるような内容を掲載。将来さらに人材不足が深刻化すると予想される状況を憂え、条件だけでは測れない仕事の楽しさを、一人でも多くの若者に知ってほしいと願っている。

 「(子どもたちの)成長がものすごくわかるんです。これはやめられないって感覚なんです」。障害のある子どもたちを支援する市内企業は、訪問介護員を募集している。運営する女性が仕事の醍醐味(だいごみ)などを語る様子がサイトに掲載されている。

 サイトの中心にあるのは“思い”だ。福祉業界は給与が安く、仕事がきつく、休みもないというイメージが定着している。敬遠されがちなこうした要素に加え、少子化や介護ニーズの高度化も重なり、「担い手が将来、いなくなると心配している」。島崎さんは表情を曇らせる。

 希望がないわけではない。「福祉施設で働きたいと考えている若者は一定程度いるはず」。夢をかなえて働き始めても、職場が理想とずれていたら辞めてしまう。「そうしたミスマッチを少しでも解消したかった」。働く意欲につながる部分に共感できれば、早期退職を防ぐこともできると考えた。

 島崎さん自身も、ヘルパーの存在の大きさを痛感している身だ。5歳のとき、歩き方に違和感を覚えた母親が病院に連れて行ったところ、進行性筋ジストロフィーと診断された。24時間介護を必要とし、普段はパソコンなどで意思疎通する。会話するためには人工呼吸器が必要だ。その一方で、サイトを運営する企業の社長であり、ヘルパー事業などを手掛けるNPO法人理事長でもある。

 「大好きな富士山や海、星…。ヘルパーさんと一緒にさまざまな景色を眺め、いろんな体験をしてきた」。多くの人の手に支えられているからこそ、こうも願う。「障害者と一緒に過ごし、挑戦する時間もまた、やりがいがあって楽しいと思えるものだと思う」

 ウェブサイトは、福祉への関心を高めるための第一歩にすぎない。アイデアは湧くように出てくる。仕事の楽しさを伝える塾を学生を対象に開講すること、施設で働く女性職員でアイドルグループを結成すること…。「若い人に『福祉って面白いぞ』という体験をしてもらいたい。まだ夢の途中。諦めずに夢を追い掛けたい」

 ウェブサイトのアドレスはhttp://mirafuku.com/


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