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自販機でキャリア教育 横浜の特別支援学校

社会 神奈川新聞  2015年06月09日 03:00

授業の一環で、自販機に商品を補充する生徒たち=横浜市立日野中央高等特別支援学校
授業の一環で、自販機に商品を補充する生徒たち=横浜市立日野中央高等特別支援学校

 飲料の自動販売機を活用したキャリア教育が、横浜市立日野中央高等特別支援学校(同市港南区)で行われている。軽度の知的障害のある生徒たちが、校内に設置された自販機の商品在庫や売り上げの管理などを担う中で、社会と接点を持ち、働くやりがいを感じることを目指した取り組みだ。授業開始から2カ月。生徒たちには、仕事への責任感が芽生えつつある。

 授業には、「午後の紅茶」などで知られるキリンビバレッジの自販機管理・運営会社「東京キリンビバレッジサービス」横浜南営業所(同市南区)が、全面協力している。他県で同じような取り組みが行われていることを知った学校側が、飲料メーカー数社に投げ掛け。入札の結果、同社に決まり、同校敷地内に2台が設置された。

 5月下旬のある日の授業には、生徒計10人が参加。1年生と3年生がペアになり、教室に置かれた在庫の本数を確認。自販機を開けて商品を補充したり、売上金を数えたりもした。

 あるペアは売上金を回収して教室に戻ると、本来あるべき額よりも10円少ないことが判明。再び自販機に戻り、中の現金を数え直すと「あった!」。生徒と、その様子をじっと見守っていた男性教諭に笑顔が広がった。「こういった失敗や成功体験の積み重ねが、とても大事」。今回の授業導入の中心的役割を果たした古川晶大教諭は、目を細めた。

 古川教諭によると、かつて知的障害の生徒たちの就職先は、大半が町工場だった。しかし、時代とともに社会情勢が変化。最近は、人と接する機会も多いサービス業に進むケースが増えている。コミュニケーションの苦手な生徒が多い中、社会へ巣立つまでに、いかにして主体性や協調性を伸ばすかが、学校の重要なテーマという。「(授業を通じ)自己肯定感を高め、責任感を育てたい。それが自信につながる」。商品やお金の流れを知ることで、経営感覚を養うのも狙いだ。

 生徒には少しずつ意識の変化が見え始めている。3年生の常磐勇太さん(17)は「お金は間違いがあってはならないので、神経質なくらい気を付けている。授業自体は楽しいし、仕事をしている自覚が出てきたと思う」

 同営業所では今後、マーケティングや商品の受発注を生徒たちに託すほか、ボトルカーに乗って取引先回りに同行してもらうことも検討中。森田徳之所長は「売り上げ以上に、社会貢献の意味合いが強い。日ごろ生徒と触れ合う機会の少ない従業員にも、良い経験となっている」。同営業所市場開発担当の鷲山悟さんも「生徒さんたちが自販機や、われわれの業界に関心を持ってくれたらうれしい。精いっぱい協力したい」と話している。


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