1. ホーム
  2. 社会
  3. 戦時の曲、フェリス大生演奏 平和願い都内で9日

戦時の曲、フェリス大生演奏 平和願い都内で9日

社会 神奈川新聞  2015年06月07日 03:00

 音楽は戦争に利用された一方、平和への願いも表現してきた-。フェリス女学院大(横浜市)の学生らが企画したクラシックの演奏会「戦争と音楽~闇から光へ」が9日、東京のサントリーホールで開かれる。戦争にまつわる楽曲を通して平和を考える。同大2年堀口利沙さん(20)は「若い人を含め多くの人に音楽の持つ力について考えてほしい」と話している。

 同大の学生らが企画制作し、出演も現役と卒業生の若手奏者ら20人。学生から募った企画を学生の手で実現させる、サントリーホールが毎年主催するイベント「レインボウ21」の一環だ。

 堀口さんは高校時代、旧ソ連政権の弾圧の中で作曲家ショスタコービッチが創作を続けるため、意に反して当局に迎合する作品を書いたと知った。「幼稚園のころから音楽を学んできたけれど、政治によって音楽や作曲家が排除されるなんて考えてもみなかった」と衝撃を受けた。政治権力と音楽の関係に関心を抱き、戦争と平和をテーマに演奏会を開きたいと考えたという。

 演奏される現代曲は、堀口さんが探し集めた「戦争のための曲や戦火の中から生まれた曲」だ。

 演奏会では、元は出征兵士を送り出す歌として作られた「汽車ポッポ」を含む唱歌などのメドレーを合唱。中田喜直作曲「軍艦マーチによるパラフレーズ」は勇ましい「軍艦マーチ」の中に、厭戦(えんせん)的として歌うのを禁じられた軍歌「戦友」や「葬送行進曲」を織り込み、戦死者への哀悼の意を込めたとされる作品だ。

 「世の終わりのための四重奏曲」は、フランスの作曲家メシアンが第2次世界大戦中、ドイツ軍の捕虜となった際に作った。カザルスがスペイン内戦で荒廃した故郷と平和への思いを込め、演奏したカタルーニャ民謡「鳥の歌」も取り上げる。

 5月下旬のリハーサルには、学生らがりんとした表情で臨んだ。「一音一音に込められた思いを考えて演奏するけれど、ここまで歴史の重みを感じて弾くことは少ない」と語るのは、ピアノを演奏する4年生(21)。バイオリンの大学院生(23)は「重苦しさの向こうから差し込む平和への希望の光を感じてもらえるよう、精いっぱい表現したい」と話していた。

 演奏会は9日午後7時開演、問い合わせはサントリーホールチケットセンター、電話(0570)550017。


シェアする