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刻む2016〈7〉志抱いた青年がなぜ 川崎老人ホーム連続転落死 

社会 神奈川新聞  2016年12月22日 09:18

窃盗罪に問われた刑事裁判を終え、法廷を後にする被告=2015年9月10日、川崎市川崎区
窃盗罪に問われた刑事裁判を終え、法廷を後にする被告=2015年9月10日、川崎市川崎区

 川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者を投げ落として殺害したとして、県警は2月15日、殺人容疑で元職員の男(24)=殺人罪で起訴=を逮捕した。逮捕前、介護職にかける思いを熱く語り「絶対にやっていない」と言い切った被告。あの言葉は一体何だったのか、なぜ3人をあやめたのか。逮捕から10カ月がたった今も、分からないままだ。 

 「危害を加えることは絶対にしていません。私は誓って何もやっていない」

 初めて会ったのは昨年9月、横浜市神奈川区の被告宅マンション前だった。転落死があった夜にいずれも勤務していた唯一の職員のもとには、20人以上の報道陣が詰め掛けた。初めは「お答えできない」と言葉少なだったが、翌日改めて問うと、約2時間にわたって関与を強く否定した。

 「家族の1人を亡くし、人生の最期をどう過ごしてもらうか考えたくてみとりの仕事を選んだ」。介護職に就いた動機には説得力があった。

 「3回とも自分がいたのに、どうして防げなかったのか、守れなかったのか」と自責の念も口にした。報道陣に囲まれても、「逃げる必要がないのでこうやって出てきています」と臆さない。記者の目を見据え、全ての質問に答える姿も印象的だった。

 男は専門学校卒業後、2014年5月から同施設に勤務。居室から入所者の財布や指輪など計約200万円相当を盗んだとして窃盗罪に問われ、執行猶予判決を言い渡された。それでも、安易に犯人視することはできない、と思った。

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