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死者3万人超 関東大震災再来で 県が被害想定見直し

社会 神奈川新聞  2015年05月28日 03:00

関東大震災級が再来した場合の震度予想図
関東大震災級が再来した場合の震度予想図

 東日本大震災を教訓に県内や周辺海域で発生の可能性がある地震の被害想定を見直していた県は27日、新たにマグニチュード(M)7~9級の11地震について試算結果を公表した。関東大震災の再来型であるM8級の巨大地震(大正型関東地震)の死者数を3万1550人と予測。切迫性が指摘されるM7級の首都直下地震の1タイプ、都心南部直下地震では2990人が死亡すると見込んだ。県はこの両地震を対象とした防災戦略を本年度中に定める考えだ。

 被害想定の見直しは2009年以来、6年ぶり。東日本大震災で浮き彫りになった巨大津波のリスクや最新の活断層調査などを反映させ、前回想定から4地震を除外、新たに6地震を加えた計11地震について被害や影響を試算した。


県が新たに想定した11地震の主な被害
県が新たに想定した11地震の主な被害


 このうち、820~3万1550人の死者が見込まれる(1)都心南部直下(2)三浦半島断層群(3)県西部(4)東海(5)南海トラフ(6)大正型関東-の6地震に一定の発生可能性があると想定。一方、(7)元禄型関東(8)相模トラフ最大級(9)慶長型(10)明応型(11)元禄型関東と国府津-松田断層帯の連動-の5地震は死者数が2890~14万2230人とより深刻な被害が予想されるものの、発生間隔が2千年以上と極めて長かったり、過去に同じタイプの地震が起きたか確認できなかったりするため、参考扱いとした。

 発生の可能性があるとしている地震のうち、最も被害が大きいのは大正型関東地震。大半の地域が震度6強~7となるため、揺れなどによる建物被害が原因の死者が1万5110人と全体の約半数に達した。海岸や川沿いは液状化に見舞われ、5千カ所以上で急傾斜地の崩壊が起きるとみている。

 さらに震源域の一部となる相模湾で津波が発生し、被害が拡大する可能性が高い。同湾沿岸に5~10分で到達し、高さは6~10メートル以上が予想されることから、津波の死者数だけで1万2530人と試算した。東京湾沿岸にも25~45分で津波は及び、2~4メートルになるとしている。

 この地震による経済被害額を約49兆円と算定したが、国や専門家は発生は100年程度先になるとみており、切迫性は高くないと考えられている。

 一方、都心南部直下地震は、今後30年以内の発生確率が70%程度と高いM7級の首都直下地震の一つのタイプ。直下地震はどこで起きるか解明されていないのが防災対策上の大きな課題だが、このタイプを採用した今回の県の想定では、横浜、川崎、相模原、厚木の各市で震度6強になる。津波の影響は想定していないものの、人口や企業の数が多い東側に被害は集中し、揺れによる死者が2160人と約7割を占めている。


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