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火山性地震が最多 箱根山、01年の4230回超え

社会 神奈川新聞  2015年05月25日 03:00

箱根山・大涌谷(5月17日午後撮影)
箱根山・大涌谷(5月17日午後撮影)

 箱根山(箱根町)の大涌谷周辺で続く活発な火山活動で、県温泉地学研究所がこれまでに捉えた微小な火山性地震の総数は24日、2001年の活動で記録された4230回を超え、観測史上最多となった。約5カ月に及んだ01年の地震数を1カ月足らずで上回り、5~6倍のペースで増え続けている。激しい噴気や地殻変動も継続しており、地下のマグマが活発になっているとみて、活動の長期化と小規模な噴火を警戒している。

 温地研によると、箱根山では地下約10キロの深い場所に火山活動の元となるマグマが存在。その「マグマだまり」が何らかの原因で膨張し、上昇する火山ガスや温められた地下水が岩盤の割れ目に入ると、深さ数キロの浅い場所で地震が起きるとみている。

 その発生頻度が高まり、大規模な群発地震活動に発展したケースはこれまでもたびたびあった。温地研が箱根山の地震監視を始めた1960年代も目立ったが、現在とは観測態勢が異なるため比較が難しく、01年の後に発生した4回の活動はいずれも地震の総数が千~2千回程度で終息。11年も群発地震はあったものの、東日本大震災に誘発された活動で、火山性ではないと判断されている。

 大型連休直前の4月26日に始まった今回の活動は地震増加のペースが極めて速く、開始から2週間で1611回を数え、4千回に達したのは26日目だった。01年は2週間で336回だったという。

 また、今月15日には1日で504回を記録。有感地震が多く、大涌谷周辺で震度1~3相当の揺れが既に130回以上観測されていることも、過去の活動と比べて際立っている。

 01年以降の群発地震を比較分析した原田昌武主任研究員は、今回の活動について「衛星利用測位システム(GPS)の観測データに山全体が膨らむ傾向が表れていることから、深い所のマグマが膨張している可能性が高い」とみる。一方で「地震の規模や発生する場所は01年の活動に似ている」と指摘している。

 大涌谷斜面の温泉供給施設からの激しい噴気は「暴噴」と呼ばれ、01年の活動でも起きた。「当時の方が今回より激しかった」(萬年一剛主任研究員)との見方は多いものの、暴噴に至るまでの期間は01年よりも短いという。

 原田主任研究員は「地震だけでなく、噴気や地殻変動などを含めた全体としてみても、今回は01年を超える活動と言える。だが、こうした現象がしばらく続いた後に終息するか、小規模な噴火につながるかは現時点では分からない」としている。


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