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被災地、記録し続けて 気仙沼で広報紙作る講座

社会 神奈川新聞  2015年05月23日 10:39

気仙沼市でPTA広報紙の講座を行った武さん
気仙沼市でPTA広報紙の講座を行った武さん

 秦野市の元中学校校長で、全国小中学校PTA新聞コンクールの審査員を務める武勝美さん(78)が東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市の地元紙に招かれ、現地でPTA広報紙の講座を行った。自ら「教育個人紙 ECHO(エコー)」を30年間発行してきた経験を踏まえ、「記録すること」の大切さを伝えてきた。

 交流のきっかけになったのは震災から1年後に気仙沼市で手にした、地元小学校のPTA広報だった。そこには卒業生全員の「将来の夢」が書かれていた。

 「生徒のほとんどが『誰かを助ける人になりたい』『地域に役立つ仕事がしたい』と、受けた支援への感謝や復興への思いを書いていた。それを見て涙が出そうになった」

 自分にできる被災地支援を考え、広報紙を印刷している地元紙の三陸新報社に相談。「芸能人が応援に来てくれるのもいいが、これからはもっと文化的な復興支援が必要だ」と言われ、PTA広報の講座を頼まれたという。

 4月29日に行われた講座ではPTA広報のほか自治会報を作っている人らを前に、「読まれる広報紙」をテーマに話した。ただの「お知らせ」にしないためには、保護者が学校や子どもへの願いを記すのが大事だと説いた。

 また広報紙の「記録性」にも言及。「きちんと残しておかないと、10年後に振り返りようもない。現在がどんな状況か残しておくべき」と伝えた。

 武さんが今回、復興の途上にある市内を見て痛感したのが「記録性」の重要さだという。「かさ上げの工事が広がるなど変わった部分もあったが、大きく復興が進んだとは思えなかった」。何が変わって、何が変わらないのか。子どもたちの心情なども含めて、移り変わっていく被災地だからこそ、PTA広報や学校・学級新聞が果たす役割は大きい。

 「学校、保護者、教師、それぞれが感じたことを記録していくことが大事だと思う」。武さんは今後も現地のPTAと交流を続け、勉強会などを開いていきたいと考えている。


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