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レベル引き上げ2週間 箱根、地元住民の警戒続く

社会 神奈川新聞  2015年05月21日 03:00

 箱根山(箱根町)の大涌谷周辺の活発な火山活動で、噴火警戒レベルが引き上げられて20日で2週間となった。沈静化する兆しのない火山活動に、地元住民らは警戒を続けている。学校や介護施設などでは防災用品や非常食を準備するなど、小規模噴火を想定した対応もみられる。

 「不気味で、初めは眠れなかった」

 約10年前に町外から嫁いできた同町強羅の主婦(38)は、体験したことがない異様な雰囲気を感じている。夫が地元で経営している温泉旅館3軒では、予約客の8割ほどがキャンセルとなったこともあり、気をもんでいる。

 噴火警戒レベルが現在の2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げられた場合、大涌谷周辺の半径1キロ以内が避難指示エリアとなる。自宅も対象となる主婦は「知らなかった」というが、「地元の人はよくあることだと言って落ち着いているので、必要以上の不安は感じていない」と、冷静に事態を見守る。

 一方、すでに子どもや要介護者など災害弱者が利用する施設では、万が一に備えて動き始めている。

 地元で小中学校、高校を運営する函嶺白百合学園は、全児童・生徒用にヘルメットとゴーグルを購入するほか、噴火して火山灰が降り積もった場合を想定し、仮の校舎として使用できる場所を小田原市内などで探しているという。

 町立の箱根中学校、箱根の森小学校では備えているヘルメットやマスクなどで対応するという。しかし、人数分そろっているわけではなく、同小の浜口勝己教頭は「必要が出てきたら支給してもらえるとありがたい」と話す。町教育委員会は「レベル3になる可能性は低い。こまめに状況をチェックし、危険性が高まれば対応する」としている。

 同町仙石原のグループホームは食料を備蓄した。ケアワーカーの女性スタッフ(62)は「要介護度が高い利用者が多いので、いざというときは施設内にとどまった方が安全。利用者に不安な様子はないけれど、落ち着かない」と話し、早い終息を願っていた。


◆空振計を大涌谷に設置
 大涌谷周辺の火山活動は20日も活発で、県温泉地学研究所が午後7時までに観測した微小な火山性地震は67回だった。気象庁は21日、大涌谷に機動観測班を派遣し、噴火などに伴う空気の振動を捉えられる空振計を立ち入り規制区域内に設置するとともに、区域外の噴気の状況を調べる。


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