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木造35施設の緊急検査 横浜・寿町3棟、指導も 川崎の簡宿火災受け

社会 神奈川新聞  2015年05月20日 03:00

緊急立ち入り検査で指導を行う消防局職員=横浜市中区寿町の簡易宿泊所
緊急立ち入り検査で指導を行う消防局職員=横浜市中区寿町の簡易宿泊所

 川崎市内で簡易宿泊所2棟が全焼し、多数の死傷者が出た火災を受け、横浜市消防局は19日から、市内にある木造の簡易宿泊所や旅館への緊急立ち入り検査を始めた。29日までに対象となった35施設すべてを検査する。

 市消防局は市内に150ある簡易宿泊所の検査を独自に毎年行っているが、今回は川崎市の火災を受けて木造の簡易宿泊所などに対象を絞って緊急の立ち入り検査を行うことにした。

 市消防局によると、150の簡易宿泊所のうち、128が寿地区を中心とした中区内に集中。ただコンクリート造りのビルが多く、10年ほど前から木造は減ってきているという。緊急検査する木造35施設のうち、中区内は6施設だった。

 19日には、中区寿町で検査対象となった木造2階建ての簡易宿泊所3棟に職員が立ち入った。職員は消防法令に基づき、消火器など消防用設備がきちんと維持管理されているか、避難経路が確保されているかなどを確かめた。防炎カーテンや消火器が未設置だったため、14日以内に回答書を出すように指導もした。

 所有者の女性らによると、宿泊所3棟で計19室あり現在は10人が長期にわたって宿泊しているという。

 寿町はかつて港湾労働者が集まり、高度経済成長期には横浜の街づくりを支えた日雇い労働者の多くが寝泊まりしたが、高齢化が進んでいる。市健康福祉局によると、1990年ごろまでは同地区の高齢化率は市内平均より低かったが、95年ごろに逆転。そのころから生活保護受給者も急激に伸び始め、一気に福祉ニーズの高い街へと変化した。

 市の調査では昨年11月時点で寿地区にある簡易宿泊所の宿泊者数は6318人で、うち生活保護(住宅扶助)受給者は5301人になる。また、65歳以上の高齢者は3224人で、高齢化率は全国平均の約2倍の51%に達する。

 市消防局が昨年に行った150の簡易宿泊所の検査では、91施設で395件の違反を指摘。防災計画が作成されていないなど防火管理上の違反が約50%を占め、消火器未設置など防火設備関連の違反は約27%だった。


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