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50年間ありがとう 大山ケーブル旧型車両引退

社会 神奈川新聞  2015年05月18日 03:00

最終の登りケーブルカーを見送る人たちでごった返す大山ケーブル駅=17日午後5時
最終の登りケーブルカーを見送る人たちでごった返す大山ケーブル駅=17日午後5時

 新型車両の導入と設備の大規模改修のため9月末まで一時運休となる大山ケーブルカー(伊勢原市)で17日、50年にわたり走り続けた旧型車両「たんざわ」「おおやま」の最終運行が行われた。臨時便も出るほどの混雑ぶりとなり、市民や鉄道ファンらが長年の活躍をねぎらった。

 始発駅の大山ケーブル駅に続く参道の土産物店「西の茶屋」の鈴木清一さん(84)=同市=は「今日は人出が多いねえ」と通りを見ながら一言。夏山シーズンの運休は痛手だが、最もにぎわう紅葉の時期には間に合う。「少しの辛抱で大きな楽しみがやって来る」と期待を込めた。

 車両に描かれたご当地キャラクターを考案した同市のデザイナー石渡文一さん(48)は「新車導入が伊勢原を盛り上げるきっかけになれば」と話した。妻の美穂さん(48)は「懐かしい感じの車体が大山に似合っていたので寂しさもある」と複雑な表情。「一部でも保存してほしい」と、観光の“功労車”との別れを惜しんだ。

 午後5時前、大山ケーブル駅で引退セレモニーが行われ、運行する大山観光電鉄の堀康紀社長は「50年間に2500万人を運んだ2両と、全てのお客さまに感謝を申し上げる」とあいさつ。最終便がホームを離れると拍手が起こった。

 大山ケーブルカーは1931年に開業したが戦時中に鉄材供出のため線路などが撤去され、戦後の65年に再開。引退した2両はこの時から走り続けた。

 新型車両は大きな窓ガラスが特徴で、10月1日にデビュー予定。それまでは運休し、レールや枕木など設備の更新工事が行われる。


最終ケーブルカーが到着後、巻き上所長の佐藤順一さん(中央)らに伊勢原市イメージキャラクター・クルリンから花束が贈呈された=17日午後5時23分、大山ケーブル駅
最終ケーブルカーが到着後、巻き上所長の佐藤順一さん(中央)らに伊勢原市イメージキャラクター・クルリンから花束が贈呈された=17日午後5時23分、大山ケーブル駅

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