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火災通報と分からず 横浜で出動遅れ、1人死亡

社会 神奈川新聞  2015年05月12日 03:00

アパートで消火活動をする消防隊員=11日正午ごろ、横浜市港北区鳥山町
アパートで消火活動をする消防隊員=11日正午ごろ、横浜市港北区鳥山町

 横浜市消防局は11日、港北区鳥山町のアパートであった火災で、出火元女性の119番通報で火災と認識できず、14分後に近隣住民の通報で火災と分かり、出動指令したと発表した。県警港北署によると、出火元はアパート2階に住む女性(60)方で、2階から1人の遺体が見つかった。同署は遺体は女性の可能性が高いとみて身元を調べている。

 市消防局によると、同日午前8時46分、消防司令センターの男性指令管制員が女性からの119番通報を受けた。管制員は最初に「火事ですか、救急車ですか」と問い掛けたが、はっきりと聞き取れずに「救急ですか」と尋ねると女性は「はい」と返事した。名乗った名前から住所と年齢を確認した上で、管制員は「どうしました」と質問したところ、「はじになっちゃった」と答えたように聞こえたという。

 何度か聞き返した際に、「はじです」と話したため「ハチ(蜂)ですか?」と尋ねると、女性は「はい」と答えたという。「救急車は必要ですか」と聞くと「いらない」と返事があり、重ねて確認しても「はい」と答え、電話が切れた。管制員は特に異変を感じず、救急車の出動指令も出さなかったという。

 女性の通報から14分後の午前9時ごろ、アパートの近隣住民から同時に複数の119番通報があり、火災と判明した。消防車は同9時8分に到着した。

 市消防局などによると、木造2階建て約200平方メートルを全焼、隣接する空き家約120平方メートルのうち、約60平方メートルを焼いた。女性は1人暮らし。アパートには女性ほか2世帯が入居しているが、当時は留守だった。

 市消防局によると、2010年からの約5年半で女性からの119番通報を受け、143回救急出動があった。多くの場合は軽症で、病院に搬送したのは38回だったという。

 同局の高坂哲也警防部長は「『ハチ』のやりとりの場面で、(管制員が)もっと疑問を持って聞くべきだった」と話した。久保田真人消防局長は「火災通報と認識できなかったことを心よりおわび申し上げる」とコメントした。同局は12日に事故防止対策検討委員会を立ち上げ、原因究明と検証を行い、再発防止に努めるとしている。


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