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  3. 朝の遅延慢性化 首都圏鉄道 導入進む相互直通

 首都圏の鉄道会社が相次いで導入している相互直通運転が、思わぬ“副作用”をもたらしている。利便性向上や観光客増の期待が高まる一方、朝の通勤時間帯の遅延が慢性化。途中駅の混雑などで生じた小さな遅れが積み重なり、運行距離が長くなった分だけダイヤ回復が難しいのだ。中でも東京メトロや都交通局などの路線は、平日の3分の2以上で遅れが生じており、国は利用客への協力呼び掛けを含めた本格的な対策に乗り出そうとしている。

 国土交通省の有識者会議「交通政策審議会鉄道部会」の作業部会のまとめによると、平日の3分の2以上の日で朝の時間帯に遅延証明書が発行された路線は、首都圏全51路線の30%に当たる16路線。県内に関連するJRの各路線は80~85%に上った。

 東京メトロや都交通局の路線では、遅れの要因として、他路線との相互直通運転も指摘されている。運行距離が長くなれば、途中駅の混雑などで生じた小さな遅れが積み重なるためだ。

 調査結果では、東急電鉄と直通運転している東京メトロ副都心線、半蔵門線、南北線、都営三田線のほか、小田急電鉄と相互乗り入れしている東京メトロ千代田線で遅延割合が高い。

 慢性化している3~10分程度の遅れのうち、混雑をはじめとする部外要因が全体の9割以上を占める。駆け込み乗車や、ドアに体や荷物を挟み込んだことへの対応などが遅れを招いている。

 鉄道会社では混雑緩和のため、ホーム増設や扉の多い車両の導入、ホーム上の要員増加などの対策を取っているが、ダイヤが過密化したことで一度生じた遅れの回復は難しい。一方で直通運転は相模鉄道や東急、JR東日本なども計画しており、今後も拡大しそうだ。

 国交省交通政策審議会の作業部会は「遅延に利用者、事業者の双方が慣れてしまっている」と指摘。今後、輸送力確保や相互直通促進に続く重要な政策課題に遅延対策を位置付け、利用者の意識改革に向けた協力も呼び掛ける方針だ。

 4月22日の衆院国土交通委員会でも、国交省は「大変重要な課題。利用者の協力を引き出す」と答弁し、早ければ年度内にも対策の方向性を取りまとめる意向を示した。民主党の本村賢太郎氏(比例南関東)の質問に答えた。


■首都圏電車路線の主な遅延発生状況
 ▼JR東日本
山手線(全線) 90%
京浜東北線・根岸線(大宮~大船) 85%
東海道線(東京~湯河原) 80%
横須賀線・総武快速線(大船~東京~稲毛) 85%
 ▼東京メトロ
千代田線 95%
半蔵門線 100%
南北線 85%
副都心線 70%
 ▼東京都交通局
三田線 75%


※国土交通省調べ。数値は平日20日間で遅延証明書が発行された日数の割合(時間帯は午前7時~10時または11時)


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