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箱根山、警戒レベル2 大涌谷に避難指示

社会 神奈川新聞  2015年05月08日 03:00

水蒸気爆発による小規模な噴火に警戒が続く箱根山の大涌谷=7日午後2時33分、箱根町(共同通信社ヘリから)
水蒸気爆発による小規模な噴火に警戒が続く箱根山の大涌谷=7日午後2時33分、箱根町(共同通信社ヘリから)

 火山活動が活発化している箱根山(箱根町)で大涌谷周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が起きる恐れがあるとして、気象庁は6日、5段階の噴火警戒レベルを1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上げ、「火口周辺警報」とした。箱根山での警戒レベル2は2009年3月の運用開始以来、初めて。既に立ち入りが規制されていた箱根ロープウェイ大涌谷駅近くの遊歩道やハイキングコースに加え、駅や集客施設のある一帯への立ち入りが禁じられた。7日も警戒が続いている。

 気象庁によると、小規模な噴火が起きた場合、大涌谷周辺は大きな噴石への警戒が必要で、風下の地域では火山灰や小さな噴石が降る恐れがある。

 このため、箱根町などは6日から新たに(1)県道734号の大涌谷三差路の通行止め(2)箱根ロープウェイの全線(早雲山-桃源台)運休(3)姥子-大涌谷間の自然探勝歩道の閉鎖-を開始。大涌谷の半径約300メートルの範囲には避難指示を発令し、火口が想定されるエリアに立ち入らないよう呼び掛けている。




 警戒レベルが1になるまでは、これらの規制を続ける方針。大涌谷駅前の箱根ジオミュージアムや大涌谷くろたまご館などの施設も
休館しているが、避難指示の対象に住民が居住する地域は含まれておらず、町は「住民生活に大きな支障は出ていない」としている。

 大涌谷周辺では4月26日から火山性の群発地震が始まり、5月5日に急増。同日午後9時すぎに麓の湯本で震度1を観測したマグニチュード(M)2・6の地震がそれまでの火山性地震の中では大きく、震源も深かったことから、気象庁は「火山活動のステージが変わった」と判断し、6日午前6時に警戒レベルの引き上げに踏み切った。

 地震活動は6日以降、やや落ち着いたものの、大涌谷斜面の温泉供給施設からは蒸気が勢いよく噴出し続けているほか、山体の膨張を示す地殻変動も続いている。地下でマグマの活動が活発になっている可能性はあるが、噴火の兆候を示す低周波地震や火山性微動は起きていないという。

 より微小な地震も捉える県温泉地学研究所の独自観測では、地震の回数は1100回を超えた。体に感じない地震が大半だが、5日午前5、6時台には大涌谷などで震度1~3相当の揺れとなる地震が5回起きていた。

箱根山
 東西約8キロ、南北約12キロのカルデラ火山の総称。中央火口丘は主峰の神山(1438メートル)や駒ケ岳などがあり、周囲を囲む外輪山は金時山などで構成される。約3千年前の噴火で早川がせき止められてできたのが芦ノ湖。活発に蒸気が噴出する大涌谷や早雲山は神山の北側に位置し、駒ケ岳の東側にも噴気地帯がある。火山性の群発地震はたびたび起きており、地震回数が1万4千回を超えた2001年6~10月が近年では最大規模。06年、08年、09年にも比較的規模の大きい地震活動が発生。東日本大震災後にも地震が活発化した。13年1~3月ごろの群発地震は約2千回を数えた。


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